メキシコは治安が悪いとみんな言う。
その通りだと思う。
しかしそんな国でも働かなくてはならない。
危機管理、安全確保が大切である。
夜は出歩かない。
飲み歩いたりしない。
朝からのハードスケジュールをこなしていれば、そんな余裕もないのである。
かなりストイックな生活を過ごさなくてはならない。
移動は手配した車のみである。
荷物の置き場から、車の乗り降りのタイミングまで、気を配らないとならない。
世界をまわり、危険な国や地域で仕事をしなくてはならない以上、
細心の注意を払うことは当然のことなのだと思う。
弊社の別チームがラマダン中のイスラム圏への渡航を延期した。
実に懸命な判断だと思う。
テロが起きたその日に、弊社のスタッフは現地に滞在してきた。
幾度もである。
だからこそ少しでも危機を回避したいと考えるのだ。
ルールその1 危険な場所にはいかない。
ルールその2 いかなくてはならない時には時期を選べ
ブログでは書けないような事を散々経験してきたから言える。
人命に勝るものはないのである。
鉄則である。
怪我はある程度防ぐことができる。
大概は切り傷や捻挫などである。
だから、手袋や履く靴で回避できる。
病気は、寒暖調節、うがい、消毒液などである程度は回避できる。
熱中症や腹痛、風邪などには注意して臨まなければならない。
マメに水分補給を行うとか、生ものや酒を摂りすぎない、マスクをするなどであろうか?
多くを経験してきたから、必要な薬や対策は準備済みである。
しかし団員の分も気を使わなければならない。
団体行動である。
一人、二人が病気でもチームは回るようにしなくてはならない。
ましてや自分が足を引っ張ることはできないのである。
今だってそうである。
人に気づかれないように、乗り切る術を身につけないとならない役回りなのだ。
団長とはそういうものだ。
メキシコに向かう飛行機の中で、島嶼国の報告書を作る。
メキシコでは朝から晩までスケジュールが入っている。
それでも目が覚めた時や、就寝前に作業時間を確保して、ブラジルの案件を進めなくてはならない。
車での長距離移動も作業時間に充てることができる。
しかし路面が良ければという条件付きだ。
ラオスの山の中で同じことをしようと思っていたら、路面があまりにも悪くて、
とてもパソコンを使える状態ではなかった。
バウンドするときは、パソコンごと30cmも飛び上がったほどだ。
まあそんな苦労もしながら、各国を回っているわけだ。
もうすぐ日付変更線を越える。
太平洋上空。1万メートル。
ブラジルから引き摺っていた時差が醒めやらぬうちに、再びメキシコに向かう。
直航便があるから体への負担はだいぶ軽減される。
僅か12時間。
久しぶりの短距離フライトのような気がしてきた。
ラオスに行くのも、タイでトランジットしてから向かわなくてはならない。
サモアに行くのもニュージーランドでトランジットしてからである。
インドネシアもティモールやアチェに行くのには数千キロをジャカルタから移動しなくてはならないのだ。
そう考えると時間的にも楽なのだ。