Take Action

  • 2008年06月07日

今週もめまぐるしく一週間が過ぎました。ローマで開かれていた国連食糧農業機関(FAO)の「食糧サミット」は共同宣言を採択して閉幕しましたが、バイオ燃料の見直しは行われませんでした。食糧輸出規制についてもアルゼンチンとアフリカ諸国の意見が対立し効力のある取り決めまでは締結することができませんでした。米国はバイオ燃料が食糧価格の高騰を招いている側面は認めながらも、原油に代わるエネルギーだとして、引き続き増産していく考えは譲りませんでした。トウモロコシは「食物の一つ」でありそれが世界的食物価格高騰には繋がっていないという主張もありました。その是非は別にして、環境難民がこれほど溢れている世界を早々に変革しないとならないとは誰もが考えているのではないでしょうか。ヨーロッパが環境問題に敏感な要因についてある見解を耳にしたことがあります。世界の環境難民の数はすでに2500万人を突破したともいわれています。2050年には1億5000万人という学者もいます。2003年、国連は環境難民が初めて戦争難民と政治難民の数を上回ったと発表しました。アフリカから大量の環境難民がヨーロッパに移住してきています。
規制 − 勿論規制が好きな人はいない。カーボンフリーコンサルティングは大規模工場のCO2排出まで対応できるように国家資格保有者やISO審査員といったきちんとした知識と経験を持ったスタッフを揃えています。私も現場に出るのが好きなので工場に度々出かけます。多くの工場は環境に配慮した運営はどうしたらいいのかと色々と積極的に取り組まれています。
誰も温室効果ガスをこのんで撒き散らしているわけではありません。
排出量削減のために様々な取り組みをされている所もあります。
そして日本にも生産者に課す規制がいくつも存在しています。
私は長年欧米の投資銀行で最前線の金融商品を扱ってきただけに不思議に思うことがあります。

投機マネー。それがオイルや穀物市場に向かっています。レバレッジ(梃の原理)を使い自己資金の何倍ものお金を動かしている投資家がいます。彼らは別に法律や規制に違反しているわけではありません。できれば投資家を守る以外の規制は最小限にとどめる方がよいのでしょう。しかし、彼らにとってトウモロコシは「投資銘柄の一つ」にすぎません。当社にも様々な情報が入ってきます。排出権にも既に投機マネーは流れてきています。
別に彼らも悪意で投資しているわけではありません。
私は投機マネーには枠組みを作るべきだと思うのです。
リスクヘッジ以外の目的については投資可能銘柄と投資不可能銘柄と分けたり、取引額の制限等のルールを作るのは不可能ではないはずです。
生産者や消費者にCO2削減の努力を強いるよりも価格を抑えるには即効性があるはずです。穀物価格もオイル価格も変動率が下がるのではないでしょうか?
生命にかかわることだから、投機マネーには何らかの制限を設けた方が良いのではないでしょうか?