VINE YARD

  • 2008年08月02日

ささやかながら自分の果樹園を持っています。勿論、本業ではないのできちんとした手入れもできず多品種少量の小規模なものです。約100坪。何年も前から放置されていた荒れ地を自分で開墾しました。
白桃、杏、さくらんぼ、梅、ユスラウメ、レモン、グレープフルーツ、山桃、グミ、柿、オリーブ。混植といえば混植ですがこれだけ違う品種が高温多湿の湘南で育っているのは生命力の強さを感じさせます。
そんななかで一番弱くて手がかかるのに気に入っている気があります。それは葡萄です。
ブドウは3種類のフランスワインの品種を植えています。カベルネソーベニオン、メルロー、そしてソーベニオンブラン。

一般的にブドウは比較的涼所な雨の少ないところで栽培されています。それでも熱帯地方や高山で栽培できた例もあるので不可能ではないのではないかと思い4年ほど前に植えました。残念ながら農薬を撒かないので既に半分は枯れてしまいました。葡萄はとてもデリケートなのです。殆どが虫にやられました。注意深く見守っていれば虫も退治できるのでしょうが、これでも仕事をしている身なので四六時中見ているわけにはいきません。
それでも生き残った葡萄たちは今年も蔓を伸ばしぐんぐんと成長しています。
果樹園が楽しいのは、花も実も楽しめることです。野菜畑はそのほとんどが単年草です。果樹は長い年月をかけて育っていくのです。実の三分の一は自然落下してしまいます。虫たちの貴重な食料になります。三分の一は鳥や動物達の餌になります。どういうわけは熟れ時をきちんと把握しており、翌朝収穫しようと思って油断すると朝には種しか残っていない事もあります。人間だけでなく動物達もおいしいものが好きなのでしょう。残りの三分の一が人間がいただけるものです。実をもぎ取ってその場で食べる。大地のエキスを今の今まで吸って生きていた実を頬張るとなんだか元気を分けてもらっているような気になります。これだけ様々なお菓子が氾濫しているにもかかわらず自然の果実が一番おいしく感じてしまうのは何故でしょう。果樹達にとっては子孫繁栄のためにその実を遠くに運んでもらえる媒体を探しているのです。鳥や動物達が実を食べ糞として別の場所に種を残す。ある意味粘土団子の栽培方法は動物達は自然と行ってきたのでしょう。