何も答えてくれない海

  • 2009年05月09日

少し早く起きて、私の事務所のある馬車道の駅で降りず、一つ先の日本大通で下車する。
焼きたてのパンと煎れたての珈琲を買いにgoozに立ち寄る。
この店は30分おきに新しい6種類の珈琲を出してくれる。
とても洒落た店だがコンビニである。大きめのサイズで180円の珈琲は実に旨い。
紙袋を片手に横浜湾が一望できる象の鼻地区まで歩く。
赤煉瓦倉庫脇の芝生で朝食。
横浜の海は何を問うても答えてくれぬ。
池澤夏樹の本を読む。僅かな時間。
人道支援や環境の事から一瞬頭が切り替わり遠い世界にいざなわれる。
オフィスにつくと早朝から激務に追われるスタッフに参戦しあっという間に昼近い。
近所の弁護士事務所に顔を出す。
私の事務所のビルは1935年築であるからかなりの高齢である。
しかし彼の事務所ビルには負ける。
1911年築だから明治44年である。


今でもエレベーターの扉は2重の手動式である。
中々こないエレベーターも一趣であろう。



ランチはLINA`Sのサンドイッチ。
PARISに本店があるこの店のミートパテのサンドイッチは驚く程旨い。
事務所に戻ると来客で賑わっている。
海外からのお客様の土産は早速みなでいただく。
オフィスの中を一瞬海風が駆け抜ける。
夕方に近くに立ち寄ったというお客様から連絡が入り山下町のバーで一杯いただくことになった。
秘伝のマティーニはVodka Martini, stirred, not shaken.
少し多めのベルモット。
どこまでも優しく澄んだ味。
私はこの店より旨いMartiniを出すバーに行った事が無い。
近くに旨いイタリアンはあるかと尋ねられたので、石川町のシチリア料理グランドゥーカを紹介する。
長年イタリアで修行してきたシェフの腕は横浜に数多くある名店の一つであろう。
小雨が降ってきた。横浜から一歩もでない一日。
まだ仲間が働いているだろう。事務所に戻ろう。
New Grand Hotelのネオンが霞んでいた。