常在戦場

  • 2009年12月27日

ジャカルタの街は本当に大きくそして中心部は進んでいます。
2億4千万人もの人を満遍なく富ませるだけの国力は無く貧富の差がとてつもなく大きいのがこの国と特徴です。

国連の安全基準値から考えても西ティモールは特別危険な状況ではありません。
しかし今回は東ティモールからの難民と原住民の間での騒動が小規模の暴動にまで発展してしまいました。
私は武勇伝を話すのも聞くのも苦手です。大方の武勇伝は誇張されたものであるからです。そして私は途上国での仕事が多い分自衛には注意を払っている方です。
今まででホールドアップに3回に遭ったことがあります。
いずれも20年程前の事です。
それ以来安全は金である程度買える事に気がつきました。
飛行場からの送迎も前もって手配しておきますしホテルもセキュリティーがしっかりした所を選びます。
夜の街も勝手が分からない時には出歩きません。

それでもジャカルタでは今年もホテルでテロがありました。
国連はむしろ標的にされる事もあります。
安全には気を配りますがそれでもどこかで判断を下さなくてはならないことがあります。
国境なき医師団で避難について学ばせていただいたことが知識として役に立っています。
過信も油断も禁物ですが過度に騒ぎ立てるのも戴けません。
今回はプロのドライバーと本部との頻繁な情報のやり取りで暴動が起きている地区を難儀する事無く通り抜けることができました。
歴戦錬磨の強者達の意見に今回は従って正解でした。
別に命が惜しい訳ではありません。
肚をくくっている分肝は座っています。気持ちの乱れ等微塵も起きませんでした。しかし不注意で志半ばで止めなくてはならないのが辛いだけです。
そんな考えをしてしまうのは実に親不孝者ですね。
日本は平和です。平和の時代に産まれ育ってきた世代はそれが当たり前のように思っています。
平和の有り難みを噛み締めながら謳歌するのがよいのでしょう。
しかし現実は違います。
日常生活で嫌な事があった時等落ち込んでしまうものです。
しかし本当に大変な事なのでしょうか?
振り返ってみて私はなんて実に些末な事に拘り思い悩んできたのだろうかと考えることがあります。
今にして思えばごみ程の価値もないものでした。
命さえあればやり直しができるのです。
常在戦場。
心掛けだけでもしっかりとしていたいものです。