10000本

  • 2007年11月18日

今わの際の言葉で「人生は一瞬だった」と語る人は多い。俺には分からないが、人生なんて振り返ってみれば一瞬の出来事なのかもしれない。
働くことの価値が、収入ではなく何を残したかで決まる事が分かった時は既に人生の折り返し地点を越えていた。真面目に勉強し、働いてきたつもりだったが、何故かそんな当たり前の事すら気がつかなかった。我ながら自分の頭の悪さに辟易としてしまう。
服とか靴とか時計とか車とか家とか、そんなものを人一倍追い求めてきた。それらは一度手にしてしまえば興味を失った。今は全てを失くしてしまっても構わない。そんな物質的な事よりも、何をやり遂げる事ができるかにしか興味が湧かぬ。
何も必要としない人間に新しく必要なものを作って売る時代。
生きるためだけに必死にならなきゃ生きていけない時代はとうの昔に終わっているのに、飽食日本は必要以上の物質的な豊かさを何故求めなくてはならないのだろうか。職に卑賤はない。しかし職に社会的意義の有無は存在している。
俺は何ができるだろうか。拳を握り固めてみたものの振り下ろす先が見つからない。とりあえずできる事をしてみようと思う。一万本の苗木を自費で植えることにした。数年したら大きく育ち、数十年したら豊かな森になっていることだろう。