80%削減? 立法

  • 2007年11月30日

国会議員の知り合いは少ない。これも私の人徳のなさなのだろう。そんな数少ない知人から随分と久しぶりに連絡が入り急遽会うことになった。どこからか小生が環境問題に取り組んでいることを聞きつけたらしい。彼の専門は環境問題ではないが『色々と分からないことがあるから教えてほしい』とのことだった。彼は昔から行動力があり、頭の回転のとても早い人だった。そして嬉しいことにまだまだ胸の内の熱い部分は衰えていないらしい。

『環境問題の本質は経済的合理性にある』 頭のいい彼だから直ぐに俺と同じ結論に達した。問題を複雑化する必要はない。ヒラリークリントン女史は温室効果ガスを80%削減すると環境政策を掲げている。80%はともかく、日本からCO2を50%以上減らすことは全くもって実現可能なのだ。
要するに金とやる気の問題なのだ。
誰がCO2を大量に排出し、誰が努力をしていないのかの答えを私は知っている。公表されていないから分析するのに労力は必要だ。しかし、怠慢企業の糾弾は弊社の事業ではない。
CO2を排出する煙突にパイプをつけて、地下施設に埋め込むことも、高性能の触媒で浄化することも、大規模なバイオマス燃料への移行なり大規模植林によりオフセットすることも現在の技術力でも十分可能なのだ。実際これらのことは他国で実施されている。しかし、その財源をどうするか。企業にその負担を課せば国際競争力が衰えてしまう。欧州みたいに企業ごとに削減義務を課すのか?火力発電を減らしても電力価格を抑えるならば原子力に移行しなくてはならない。風力発電や太陽発電を増やすことはすなわち価格上昇分を消費者に転嫁することになる。金をどうするか?炭素税の導入か?
当たり前だが日本国憲法下では、国会は唯一の立法機関である。そして国会議員を選ぶのは我々国民である。しかし、どれほど誇るべき理想を持とうと、代議士一人の力で新法案を作ることはできない。また、議会を動かせるわけでもない。数の裏打ちがなければ法案は通らないのである。しかし、与党政党に属していないからといって、その議員に何ら価値がないわけではない。問題の本質をきちんと理解し、そして草の根から行動を起こしてゆく影響力のある人が一人でも増えることが、結局は問題解決につながるのだと思う。いかがだろう?