Press Release

 


2014/06/03(火)
金ケ崎町内で産直かねがさきを運営する金ケ崎産直組合(伊藤雅章組合長)は、第3回カーボン・オフセット大賞の農林水産大臣賞を受賞した。町産リンゴの付加価値向上や地域活性化のためのカーボン・オフセット活用が先進的取り組みとして高い評価を得た。30日には伊藤組合長らが県南広域振興局の遠藤達雄局長に受賞報告を行い、同組合の農産物ブランド化の取り組み継続など一層の飛躍を誓った。

 カーボン・オフセットは、日常生活や経済活動の中で排出する二酸化炭素の削減できない分を、他の自然エネルギー事業への投資などで埋め合わせする取り組み。

 同大賞は企業やNPO、自治体で組織するカーボン・オフセット推進ネットワークが主催し、環境省と経済産業省、農林水産省が後援。今回は後援3省の大臣賞各1団体、優秀賞3団体、奨励賞6団体を選出した。

 金ケ崎産直組合が取り組みを始めたのは、同町出身で今年3月まで横浜国立大大学院生だった高橋敬多さんの存在が大きい。近所同士の付き合いがある伊藤組合長が、2012年に高橋さんからリンゴを活用したカーボン・オフセット実践の話を紹介されたことがきっかけとなった。

 同年に環境省の助成を受けてカーボン・オフセットの認証を取得。埋め合わせには、県の「県有林における森林吸収量取引プロジェクト」のクレジットを用い、ラベルシールを1000枚分購入した。シールには購入者がイメージしやすいように一般家庭1日分の二酸化炭素排出量5・5キロ分を記し、リンゴに貼り付けて販売。産直かねがさきのほか、奥州市の産直来夢くん、首都圏でも販売し理解に努めた。

 同市水沢区の奥州地区合同庁舎には、伊藤組合長と松本典昭副組合長、町担当職員が訪問し、遠藤局長と平野直副局長に受賞の経緯や取り組みを紹介した。

 伊藤組合長は「高橋さんに話を持ち掛けられ、当時はよく分からなかったが、やってみようということで始まった。進めるうちに県の森林や被災地の森の再生に役立てられるほか、地元産リンゴの知名度向上につなげることができた」と受賞を喜び、「環境に対する取り組みはこれからも継続していきたい。付加価値のある農産物を販売して他の産直に負けないように取り組みたい」と意欲を語った。

 遠藤局長は「県内第1号の大臣賞受賞となった。企業の取り組みが多い中、産直ではまだ珍しい。1次産業の活性化、さらには6次産業化の進展にもつながる取り組み」と受賞をたたえた。