【レポート】COP15vol.1
カーボンフリーコンサルティング株式会社の上地です。
デンマーク、コペンハーゲンで開催されている国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)の様子をお伝えします。
まずは、COP15についての説明です。
このCOP15は国連が開催している気候変動に関する国際会議で、1995年から毎年この時期に開催され、今回は15回目になります。特に今回は、COP3で採択された京都議定書の次の枠組み(2013年以降)を決める予定のため、例年よりも注目を集めています。
世界約190カ国の国と地域から代表団が参加し、各国のNGO関係者なども会場に入ることができます。
今回の会議では、実はCOPだけでなく以下の6つの会議が開催されています。
・気候変動枠組条約締約国会議(COP)
・京都議定書締約国会議(COP/CMP)
・実施に関する補助機関会合
・科学的、技術的助言に関する補助機関会合(SBSTA)
・条約の下での特別作業部会(AWG-LCA)
・議定書の下での特別作業部会(AWG-KP)
今回最も注目されている論点は、次期枠組みの期間、削減義務を負う国の範囲、そして世界全体での削減目標についてなどです。
ただ、事前協議の段階で、先進国により大きな削減目標を求める途上国と世界全体の大幅削減には新興途上国が参加する必要があると主張する先進国との間に大きな対立があり、会議期間中に法的拘束力のある条約の制定は困難と言われています。
さて、今回の開催地であるデンマーク、コペンハーゲンは会議を歓迎するムードです。CO2削減を訴える広告がありとあらゆるところで見られ、カフェでもクライメイトメニューという特別なメニューが限定で出されたりしています。
<写真:「CO2をつかまえろ!」空港にて>
会場はというと、日本で言うと東京ビッグサイトのような大きなイベント施設に、総勢約15,000人が参加しており、環境の国際会議としては史上最大規模となります。会場になっているベラセンターが収容できる人数の約二倍の34,000人が入場登録を申請したが、半分以上は制限したと聞きました。
会場に入ろうとすると、まず長い行列に並ばなければなりません。初日には凍てつく寒さの中2時間以上も外で待っていた人もいたようです。
入り口の中入ったあとは、厳しいセキュリティが待っています。初日は特に厳しくしたのか、空港でも引っかからないような腕時計でも探知機が反応するほどでした。
<写真:会場入り口のセキュリティチェック>
セキュリティチェックを通ると、さらにIDパスを認証させなければ会場内には入れません。IDパスは事前に登録した人にのみ写真付きのものがその場で発効されます。
<写真:IDパス>
いよいよ会議が行われている会場に入ります。会議の会場というと、たくさんのイスとテーブルが並んだ会場をイメージしますが、実際には少し違います。数千人が入る大きな会議場は2つあり、サイドイベントと言われる分科会が開かれる中規模の会議室が20くらいあります。国連や各国政府、NGOなどが毎日サイドイベントを開いていて、参加者は専門分野や関心のあるテーマについての講演を聞くことができます。
その他のスペースは、数百に及ぶNGOを中心に、政府系機関などの参加団体がブースを設けて、展示しています。
(Vol.2に続く)