SBTとは「Science-Based Targets:科学的根拠に基づく目標」の略であり、パリ協定が求める気温上昇水準※と整合する目標のことです。SBTiはこの目標設定を推進するため、CDP·UNGC·WRI·WWFの4つの機関が共同で運営する国際的イニシアチブであり、企業のGHG排出量削減目標を審査·認定しています。
※世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、特に1.5℃以下に抑える目標。
SBTでは、一般的に以下のような目標を設定し開示することが求められています。
項目 | 推奨される開示内容 |
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目標年 | 公式提出時から5年以上先、10年以内の目標 |
基準年 | 最新のデータが得られる年で設定することを推奨 |
対象範囲 | Scope1,2,3排出量。ただし、Scope3はScope1~3の合計の40%を超える場合のみ。 |
目標レベル | 以下の水準を超える削減目標を設定すること Scope1·2:1.5°C=少なくとも年4.2%削減 Scope3:WB2℃=少なくとも年2.5%削減 |
中小企業向けのSBTでは、手続きが簡素化され、目標設定や開示項目も簡易なものとなっています。特に、スコープ3については算定が完了していなくても「排出量の把握と削減」にコミットすることで申請可能となっています。
項目 | 概要 |
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対象 | 以下を満たす企業 ・従業員500人未満·非子会社·独立系企業 |
目標年 | 2030年 |
基準年 | 2018年、2019年、2020年、2021年から選択 |
削減対象範囲 | Scope1,2排出量 |
目標水準 | ■ Scope1,2 1.5℃:少なくとも年4.2%削減 ■ Scope3 算定·削減にコミット |
費用 | 申請時にUSD 1,000(外税) |
承認までのプロセス | 目標提出後自動的に承認され、SBTi Webサイトに掲載 |
SBTを設定することは、企業にとってサプライチェーンにおけるリスクを認識し、その低減に取り組むきっかけとなり、社内のコスト削減やイノベーション促進にもつながります。また、SBTiに認定された目標を掲げていることは、企業が気候変動対策に真摯に取り組んでいることの証左となり、投資家や顧客からの信頼を得て企業価値を高めることに繋がります。さらに、SBT認定はCDPの採点においても評価要素となります(CDP気候変動2021のAリスト企業56社のうちSBT認定済みの企業は46社)。
SBT申請のフローは以下の通りです。カーボンフリーコンサルティングは、企業規模に関わらず、SBT認定取得の前提となるサプライチェーン排出量(Scope1・2・3)の算定、SBT要件を満たす目標設定、実際の申請手続きまで、このフローのあらゆる段階におけるサポートをワンストップで提供しています。