TCFDは、市場参加者が気候変動の財政的影響に対処することを目的として、気候関連財務情報開示のポイントを提言し、情報公開を促す機関です。市場参加者は、TCFDの提言を実行することにより、投資家にアクセスしやすくなる、情報公開の各種要請に応えられるなどのメリットを得られます。評価機関(FTSE, MSCI, DJSIなどでも活用されています。
カーボンフリーコンサルティングは、TCFDのサポーターとして、企業のTCFD対応をご支援しています。
TCFDの開示項目には、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標があり、これらはさらに11項目に細分化されています。ガバナンス体制、気候関連のリスクと機会、シナリオ分析結果、Scope1,2,3のGHG排出量などの開示が求められています。
項目 | 推奨される開示内容 | |
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ガバナンス | 気候関連のリスク・機会に関する組織のガバナンスを開示 | a)取締役会による監視体制を説明 b)経営者の役割を説明 |
戦略※ | 気候関連のリスク・機会がもたらす組織のビジネス・戦略・財務計画への影響を開示 | a)短期・中期・長期のリスクと機会を説明 b)気候変動が組織のビジネス・戦略・財務計画に与える影響を説明 c)気候関連シナリオ(2℃以下シナリオなど)を考慮した組織のレジリエンスを説明 |
リスク管理 | 気候関連リスクについて組織がどう認識・評価・管理しているか開示 | a)同リスクを認識・評価するプロセスを説明 b)同リスクを管理するプロセスを説明 c)同リスクを認識・評価・管理するプロセスが組織のリスク管理にどう統合されているかを説明 |
指標と目標※ | 気候関連リスク・機会を評価・管理する際の指標と目標を開示 | a)戦略・リスク管理プロセスにおいて同リスク・機会を評価する指標を開示 b)Scope1,2,3※のGHG排出量とその指標を開示 c)リスク・機会を管理するため用いる目標や実績を説明 |
バウンダリー設定
開示項目検討
ガバナンス体制調査:
気候変動リスクへの対応体制、プロセスを把握 ※開示項目「ガバナンス」および「リスク管理」に対応
GHG排出量算定:
サプライチェーンのGHG排出量を算定 ※開示項目「指標と目標」に対応
シナリオ分析:
気候変動によるリスク・機会の把握、リスクと機会による財務への影響、組織の強靭性を分析(1.5℃、4℃) ※開示項目「戦略」に対応
目標・対応策の策定:
GHG削減目標と財務目標の設定、気候変動リスクの低減・機会の増進策を提案
リスク管理体制・制度への反映:
気候変動リスク・機会に対処する体制・プロセスを整備
※開示項目「指標と目標」および「戦略」に対応
気候変動関連情報の開示:
開示媒体の選定、TCFDの開示項目に沿った開示案を策定
サステナビリティ委員会など、気候変動に対する管理体制の現状を調査します。
社内でのガバナンス・リスク管理プロセスについて、各プロセスの担当者と管理のフローを確認します。
上記調査の結果を踏まえ、気候変動リスクの管理体制・プロセスの改善点を分析します。内規などの改訂も支援します。
CFCにて調査シートをご用意し、GHG排出量算定の範囲を確定します。特に、Scope1-3の各データが入手可能か否かを確認します。
企業から算定に必要なデータを提供いただき、一般のデータベースから排出量を算定します。データベースに排出係数がない場合は、原材料の割合に応じて適切な排出係数を作成します。
算定結果から、どのスコープ、どのカテゴリが排出量が多いのかを特定し、その理由を分析します。さらに、ICP(インターナルカーボンプライシング)により、二酸化炭素排出量の貨幣価値を見える化します。
GHGプロトコルの算定範囲
出典:環境省
気候関連のリスク/機会を特定し、それらがもたらす組織のビジネス・戦略・財務計画への影響を分析します。分析に際しては、気温上昇が1.5℃、2℃、4℃のシナリオに分け、各シナリオにおいて、どのような移行リスク、物理的リスク、機会があるかを特定します。そのうえで、それぞれのリスクと機会が企業の財務に与える影響を、短期、中期、長期のタイムスパンで推計します。分析結果は、以下のような一覧表にとりまとめられます。
シナリオ分析のイメージ
TCFDコンサルティングの基本プロセスは以下のとおりです。カーボンフリーコンサルティングでは、これらの業務を一気通貫でも個々の項目ごとでも、企業のニーズに応じて柔軟に実施しています。