環境経営コンサルティング

TNFD Consulting

TNFDコンサルティング

TNFD

TNFD

TNFDは「自然関連財務情報開示タスクフォース」の略称で、企業活動が自然環境や生物多様性に与える影響と、その影響が企業の財務にもたらすリスク・機会を開示するためのフレームワークを提供する機関です。TNFD設立の背景には、生物多様性条約、地球環境の限界、ビジネス界からの要請があります。
カーボンフリーコンサルティングは、TNFDフォーラム会員として、企業のTNFD対応をご支援しています。

TNFD賛同・開示のメリット

TNFDに賛同し情報開示することにより、以下のようなメリットが得られます。

  1. 企業価値の向上

    透明性の高い情報開示と目標に対する取組活動は、投資家や消費者からの高評価に繋がります。

  2. 市場競争の優位性向上

    投融資家へのアピールになり、市場での優位性確保に繋がります。

  3. ステークホルダーとの信頼関係強化

    投資家のみならず、顧客やコミュニティとの信頼関係の強化にも繋がります。

開示項目

TNFDの開示項目は、 TCFDをベースにしており、『ガバナンス』、『戦略』、『リスクとインパクトの管理』、『指標と目標』の4つの柱からなり、これらはさらに14項目に細分化されています。環境がビジネスに与える影響と、企業が環境に与える影響のダブル・マテリアリティ(重要課題)を把握するのが特徴です。

開示項目
ガバナンス 戦略 リスクとインパクトの管理 指標と目標
  1. 自然関連の依存、インパクト、リスク、機会に関する取締役会の監督について説明する。
  2. 自然関連の依存、インパクト、リスク、機会の評価と管理における経営者の役割について説明する。
  3. 先住民、地域コミュニティ、影響を受けるその他のステークホルダーに関する組織の人権方針とエンゲージメント活動および取締役会と経営陣による監督について説明する。
  1. 組織が短期、中期、長期にわたって特定した自然関連の依存、インパクト、リスクと機会について説明する。
  2. 自然関連の依存、インパクト、リスクと機会が、組織のビジネスモデル、戦略等に与える影響について、移行計画や分析と合わせて説明。
  3. 様々なシナリオを考慮し、組織の戦略のレジリエンスについて説明する。
  4. 組織の直接オペレーションにおいて、可能な場合は優先地域に関する基準を満たすバリューチェーンにおいて、資産や活動がある場所を開示
    1. 直接操作オペレーションにおける自然依存、インパクト、リスクと機会を特定、評価、優先順位付けするためのプロセスを説明する。
    2. 上流・下流のバリューチェーンにおいて、自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を特定、評価、優先順位付けるための組織プロセスを説明。
  1. 自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を管理するための組織のプロセスを説明する。
  2. 自然関連リスクの特定、評価、優先順位付け、菅理のプロセスが、組織全体のリスク管理にどのように組み込まれるかを説明。
  1. 組織が戦略及びリスク管理プロセスに沿って、重大な自然管理リスクと機会を評価し管理するために使う指標を開示する。
  2. 自然への依存とインパクトを評価し、管理するために組織が使う指標を開示する。
  3. 組織が自然関連の依存、インパクト、リスク、機会を管理するために使用している目標と目標に対するパフォーマンスを記載する。

LEAPアプローチ

CFCでは、LEAPアプローチを用いて、企業と自然との関わりを評価し、開示内容を作成します。LEAPアプローチは、TNFD開示のためのアプローチとしてTNFDにより開発されたものです(必須ではありません)。自社の活動と資産を対象に事前調査(スコーピング)した上で、4つのフェーズで業務を行います。

Locate 自然との接点を見出す
Evaluate 依存関係と影響を診断する
Assess リスクと機会を評価する
Prepare 対応を準備/投資家へ報告
Locateフェーズでは、自然との接点を見出します。

サステナビリティ委員会など、気候変動に対する管理体制の現状を調査します。

Locate
自然との接点を見出す
L1 ビジネスモデルとバリューチェーンの範囲

  • セクター別の自社の活動はなにか。
  • バリューチェーンにおける自社の活動はなにか。拠点はどこか。
  • 直接操業における活動は何か。拠点はどこか。
L2 依存関係とインパクトのスクリーニング

  • セクター、バリューチェーン、直接操業において、自然への依存やインパクトが中程度または高い可能性のある活動はなにか。
L3 自然との接点

  • 自然への依存やインパクトが中程度または高い可能性のある活動では、どの生物群系や生態系と接点があるか。
L4 インパクトを受けやすい地域との接点

  • セクター、バリューチェーン、直接操業において、自然への依存やインパクトが中程度または高い可能性があり、生態学的に影響を受けやすい場所はどこか。

※Guidance on the identification and assessment of nature related issues: The LEAP approachを基にCFC作成

ガバナンス体制調査

Evaluateフェーズでは、組織にとって重要な自然への依存関係とインパクトを把握します。

 

Evaluate
依存関係と影響を診断する
E1 環境資産、生態系サービス、インパクトドライバーの特定

  • セクター、ビジネスプロセス、活動において、どこで(場所)、どのような環境資産、生態系サービスがあり、インパクトドライバーは何かを特定する。
E2 依存関係とインパクトの特定

  • 自社の活動が、自然にどのように依存しているか、自然に対してどのようなインパクトを持つかを特定する。
E3 依存関係とインパクトの測定

  • 自社活動の自然への依存度はどの程度か程度と範囲を測定する。
  • 自社活動が自然に対してどの程度インパクトを持つか程度と範囲を測定する。
E4 重要性のインパクト評価

  • E3の測定結果から、依存関係とインパクトのうちどれが重要か特定する。

※Guidance on the identification and assessment of nature related issues: The LEAP approachを基にCFC作成

依存関係と影響を診断する

Assessフェーズでは、特定した自然への依存関係とインパクトに起因する自社のリスクと機会を特定し、測定し、優先付けを行います。

 

Assess
リスクと機会を評価する
A1 リスクと機会の特定

  • これまでに特定した自然への依存関係とインパクトに起因する自社のリスクと機会は何かを特定する。
A2 既存リスクの軽減とリスクと機会の管理・調整

  • 既存リスクの軽減やリスクと機会を管理するために、すでに自社で行っている取組を把握する。
  • リスクと機会の管理方法(リスクタクソノミー(分類)、リスクインベントリ(一覧)、リスク許容度基準など)を自社の管理にどのように適合するか。
A3 リスクと機会の測定と優先順位付け

  • リスクと機会を測定し、どのリスクと機会を優先的に対応すべきか優先順位をつける。
A4 リスクと機会の重要性の評価

  • A3の測定結果から、リスクと機会のうちどれが重要で開示されるべきかと特定する。

※Guidance on the identification and assessment of nature related issues: The LEAP approachを基にCFC作成

リスクと機会を評価する
Prepareフェーズでは、特定したリスクと機会に対して自社がどのように対応するか、何をどのように報告・開示するかを決定します。

 

Prepare
対応を準備/投資家への報告・公表
P1 戦略とリソース配分計画

  • 特定されたリスクと機会に対する対応策を決定し、戦略やリスクマネジメントの方針に反映させ、そのための資源配分(予算)を決定する。
P2 ターゲット設定およびパフォーマンス管理

  • 自然関連の目標と測定指標を設定し、進捗度の測定方法を確定する。
P3 報告

  • TNFDの開示案を策定し、どのように投資家等に報告するのかを決定する。
P4 公表

  • TNFDの開示案をどのように公表するかを決定する。

※Guidance on the identification and assessment of nature related issues: The LEAP approachを基にCFC作成

TNFDコンサルティングの流れ

TNFDコンサルティングの基本プロセスは以下のとおりです。カーボンフリーコンサルティングでは包括的支援から、一部プロセスに特化した支援まで、企業のご要望に応じて柔軟にサービスを提供しています。

TNFDコンサルティングの流れ