中国およびモンゴルの植林地では、以下のような樹種を植え、多様性を確保しながら経済林と自然林の両立を目指しています。長野では、日本の林業の手法を活かし、カラマツを植えています。
カラマツ(Larix sibirica)
マツ科カラマツ属の落葉針葉樹
乾燥に強く、成長が早い(30年間で約250kgのCO2を吸収)のが特徴です。深刻な干ばつに見舞われることの多い現地において、カラマツは植林に最も適した植物の1つです。
アンズ(Prunus armeniaca)
バラ科サクラ属の落葉小高木
寒さに強く、薄紅色のきれいな花を咲かせます。アンズの果肉はジャムやお酒、種は杏仁豆腐の原料として、高値で取引されます。現地のみなさんの収益には欠かせない植物です。
ニンティァオ(Caragana korshinskii)
マメ科ムレスズメ属の落葉低木樹
マメ科の植物は、根に付いた根粒菌で空気中の窒素を固定し、栄養がたっぷり詰まった葉を落とすことで土壌を豊かにしてくれます。内モンゴルの在来種であるニンティァオは、綺麗な黄色の花でわたしたちを楽しませてくれるだけではなく、自然の土壌改良剤として、わたしたちの植林地の土を豊かにしてくれています。また、枝を適切に刈り取ることで、旺盛に成長する特徴も持つため、現地のみなさん
の生活のための燃料として利用していただいています。
ポプラ(Populus sp.)
ヤナギ科ヤマナラシ属の落葉広葉樹
寒さにも暑さにも強く、成長が早いのが特徴です。一方で、成長が早すぎるために、適切な管理を行うことが難しいことも特徴の1つです。弊社では、現地の状況を調査しながらポプラの適切な管理を行い、カラマツやアンズ、サリュウのための防風林をつくっています。
シベリアカラマツ(Siberia Larix sibirica)
マツ科カラマツ属の針葉樹
若木は小さいですが、成長すると大きいものでは樹高40mにも達します。カラマツと同様、現地の植林に最も適した樹種の一つです。
カーボンフリーコンサルティングは、中華人民共和国政府との間で、2008年から40年に亘る長期包括的契約を締結し、植林事業を実施しています。2018年には、モンゴル国セレンゲ県政府から森林管理権を譲渡された団体「イエテン有識者の集まり」との間で同様の包括契約を締結し、地方政府と連携しながら、植林地を管理しています。
中国及びモンゴルの植林地では、3人の専門スタッフたちが中心となり管理を行っています。責任者は、中国内蒙古クブチ砂漠にて15年間砂漠緑化事業に携わった実績のある原が務めています。チャオクウソンブル(モンゴル語、中国語、日本語に堪能)とスチンは、現地に常駐して植林地の管理を行っています。
日本国内では、2020年、長野森林組合と契約を締結し、同組合の管轄地において、同組合の管理の下で植林事業を行っています。
植林地のふもとの村のみなさんに、植樹のための穴掘り、水かけ作業、苗木の管理などを行ってもらっています。
「イエテン有識者の集まり」のガンバ氏を中心に、トングリ村のみなさんが、苗木の栽培、下草刈り、植栽、樹木の管理などを行っています。