TPP環太平洋戦略的経済連携協定参加は開国の為か?経済自由化の為か?

  • 2011年09月24日

農林水産省の試算では、農業生産は約3・6兆円減、食料自給率は40%から12%に低下するとされています。
関税自主権を放棄して国益を守れるかどうかが焦点だと思います。
もっとピンポイントに言えば農業を守れるのかどうかという事が焦点になっています。
(個人的には林業も漁業も大きな影響を受けるので注目していただきたいのですが)
経済的なベネフィットを得て、農業だけは関税撤廃しないというロジックが他のTPP参加国に通じる訳はありません。
他の参加国は農作物のシェア拡大を狙っている訳ですから。
TPPに参加するという事は即時関税撤廃を基本に、10%の品目で10年間かけて段階的に関税を撤廃するというものです。
別の試算では『TPP加入による経済効果として、内閣府はGDP2.4〜3.2兆円の増加、農水省は11.6兆円の損失と雇用340万人減(廃業農家による代替の生産活動が一切行われない場合)、経産省はTPPに不参加の場合は参加した場合に比べてGDP10.5兆円減と雇用81.2万人減(日本は不参加の中で韓国が米中EUとFTA締結した場合)』との試算を発表しています。
農業が壊滅的なほどの影響を受けるが国全体としては大幅な経済成長に寄与する事に繋がるというのが各省庁からのデーターのようです。
では経済成長に寄与した分をできうる限り農産業にまわす事ができないか?
これは大きな課題だと思います。
自給率が40%から12%に変わるという事は日本の産業構造が大きく変わることになります。
しかし正確な情報は皆さんお持ちでしょうか?
これだけ大きな問題なのだから国民全体で議論する風潮を高めた方が良いと思います。
感情論や過度の危機感を煽る様な意見ではなく、国としてどの方向に進むべきかを判断する材料が乏しく感じます。
経済的な大きなベネフィットがあることも事実なのですから、是非報道でも大々的に取り上げてほしいものです。
TPPに参加しても日本だけが条件を付けて農業だけが関税撤廃除外に本当にできるのか?
例えば「米」だけに絞る事は可能なのか?
農作物の輸出促進がどれくらいの規模でどれくらいのスピードで達成できるのか?製造業が活性化されれば農業に好影響が本当にあるのか?また自給率を維持する為の財源を確保する方法が明示されない限り農産業関係者が賛成できる材料は無いと思います。
とにかく判断するには情報が不足しています。