NHK スペシャル「きこえますか 私たちの歌が〜被災地 のど自慢」

  • 2011年09月23日

NHKスペシャルはいつも東日本大震災被災地/被災者の事を色々な角度から取り上げていてとても参考になります。
テレビを観ているとその時の事を鮮明に思い出します。
僅か半年前の事ですが随分と時が流れた様な気がします。
改めて見てみると、3月14日にお取り引き様にメールを送っていました。
我ながら精一杯でした。
今この瞬間でも被災地で活動している仲間、同僚、教え子がいます。
活動は継続していかないとならないですね。
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お世話になっている方々へ
3日ぶりに水を使えるので顔を洗い、歯を磨きました。今夜は雪になるかもしれないと言われていますが水しか出ません。それでも生気が戻りました。
今朝は放射能除染作業を行っている避難所にいきました。今まで福島の原発の近くで作業をしていたからです。
勿論避難区域外でしたが長時間作業していた為に念のために調べていただきました。汚染されていませんでした。
ガソリンを5リットル確保するのに数時間スタンドに並ばなくてはなりません。被災地の支援に行くにも燃料が必要です。
やっと得た燃料で宮城県に向かいました。途中ニュースで原発が爆発してキノコ雲が見えると流れました。私は第一原発の西40kmにいたので肝を冷やしました。
直後に新地町にかけて津波が来たとラジオが避難を呼びかけました。
海岸沿いには近寄らずにできうるだけ内陸部を走行しました。
その後福島から仙台中心部を抜け、石巻から南三陸近辺で作業を行っていました。
単独での活動のため重機も無くできうる範囲も限られています。
2次被害は勿論避けなくてなりません。
しかし人道支援の専門的な知識と技術を有していると自らの技量を確信していたため今回は初動優先で現地に単独で入りました。
私の行動について多くのご批判があるのは承知しています。
真似をされて2次災害にあう方がいたとしても責任のとりようもありません。ご批判は真摯にお受けし今後に活かさせていただきたいと存じます。
私の名前は世に出て欲しいくありませんし、武勇伝を語ったり、野次馬になるつもりも毛頭ありません。
会社として活動では一切ありませんし、個人としての単独行動であります。
できうる限り静かに行動して参りましたが現場からの声を少しだけお世話になっている方々のみにお伝えしたいと思います。
現場については、報道されているもの以上だと思います。それについては語るには辛すぎるので控えさせていただきます。
惨状の前に立ち尽くし、慟哭し、吐き気を抑えながらも生存者を捜すしかありません。
圧倒的な自然の猛威の前に、人手が余りにも少ないのが現状です。
崩れかけた建物の前で残った所持品を拾う老婆。
津波が来ると放送があってももう聞く気力もないようです。
無理にでも丘に避難させるぐらいしかできません。
死者は夥しい数にのぼりますが、私は生存者を助ける為だけに注力しなくてはならないため、ご冥福をお祈りするしかありません。
被災者に対してできる事は、人命救助と人道支援の二つがあります。
どちらが欠けてもならないものです。
しかし人命救助は初動が全てなのです。
72時間を超えると生存率が急激に下がります。被災地が限られていれば救命のプロに任せるべきだと思います。
しかし、この大震災の震度、津波、範囲を考えた場合には動員人数が足りないのは明らかでした。
青森から茨城までの海岸線だけで何キロあるのでしょうか?
ラジオから流れるニュースは予算をどうしようとか、歯切れの悪い情報を繰り返し流しているだけで、時間についての知識が欠如しているようです。
予算も大切ですが話し合いをしている間に瓦礫に埋もれた多くの人々が命を失っているのです。今晩の気温の低下で更に救える命が失われています。
 「とにかく何をおいても人命救助。阪神大震災のときもやらなければいけないことはやりつくせと指示した。法にとらわれず必要なことはすべてやり、後から法律を改正すればいい。こういうときは与党も野党もない。政府も国会も一緒になって懸命にやることが大事だ」と時に村山元首相は言ったそうです。賛成です。
金も物資も大切です。それは人道支援です。時間的な猶予は少しばかりあります。
現在必要なものは、救命隊員、物資は、水、食糧、粉ミルク、おむつ、離乳食、ガソリン、灯油、肌着、暖をとるもの、毛布などです。
水も電気もガスも無い中でカップ麺は役に立ちません。買う物が無い現在はお金も必要ありません。
現場の声が各地に届いて欲しいと思います。
都心では食糧や水の買い占めのみならずガソリンも買い占めが続いていると聞きました。
節電も大切です。しかしその買い占めが被災地への物資供給の遅れに繋がっている事はきちんと伝わっているのでしょうか?
できましたら買い占めについても避けるように皆様でご啓発をお願いいたします。
長文お付き合いいただきましてありがとうございます。
安全第一でもう少しだけ作業をしてから帰路につきます。
ガソリンが無いのでちょっと苦労しそうですが。
余震が続いていますが皆様もくれぐれもご自愛くださいませ。