北海道の被災 牡蠣祭り

  • 2011年10月10日

東日本大震災で北海道が被災した事はあまり知られていません。
先日函館を訪問したときに知りました。
牡蠣好きならばご存知の厚岸。
私も以前牡蠣祭りに訪れた事があります。
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東日本大震災による津波でカキ養殖施設が被害を受けた厚岸町で8日、恒例の「あっけし牡蠣(かき)まつり」が開幕した。施設の大半が被災した養殖カキは品薄で、春のまつりに続き、10日間の日程を3日間に短縮した。
 会場の子野日公園には17軒の露店が連ねた。「厚釧水産」は昨年、殻付きカキを3万個用意できたが、今年は半分で、価格はLサイズで220円と4割増。福田宏社長(79)は「普通なら10個は買う人も、今年はせいぜい6個。5月に三陸から仕入れた種カキも出荷まで3年はかかり、来年の見通しも立たない」と顔を曇らせた。
 会場内でカキを炭火で焼いていた帯広市の自営業、石場とよ子さん(56)は「カキが高くて驚いたけど、厚岸のカキは好きなので何とか復活してほしい」と話していた。まつりは10日まで。【毎日jp】
■厚岸湖・サロマ湖・噴火湾・・・
 津波警報がようやく解除され、海に出た漁業者を待ち受けていたのは、手塩にかけて育ててきたカキやホタテなどの「壊滅的」ともいえる被害だった。
 「カキえもん」などのブランドで知られる厚岸カキの産地、厚岸町の厚岸湖。13日、長さ100メートルある養殖施設約3千個が、湖内のあちこちに寄せ集められたように浮いていた。施設は、カキをつるした100本ほどのロープがぶら下がる型と、カキをカゴに入れて育てる型があり、もともとは等間隔に並んでいた。
 だが、被害状況を調べた厚岸漁協によると、津波に押し流されたロープやカゴが絡まり合って、約60カ所でダンゴ状態に。大部分のカキが湖底に落ちたり、カゴの中でぶつかって死んだりして出荷できない状態。流出したものもかなりの数に上るという。
 同町の養殖家の男性(48)の施設も約2キロ流され、他の施設とごちゃごちゃになっていた。「厚岸のカキは全滅でないか。もう何したって終わりだ」と声を落とした。
 厚岸のカキは3年もので、全滅すれば回復には数年かかる。加えて、稚貝の大部分を被災地・宮城県産に頼ってきた。町でも稚貝の養殖に取り組んでいるが、全養殖家には到底行き渡らない。年5億円の出荷量があるだけに、同漁協の佐藤広彦参事補は「(回復まで)早くて5年かかる。何十年もかけて産地になったが、一瞬で失った」。
 仙鳳趾(せんぽうし)産カキで知られる釧路町でも、施設21基が壊れていることが判明。町によると現時点での漁業被害額は7500万円超。浜中町ではウニの養殖施設が湾外に流出するなどの被害があった。
 「このままだと来冬、出荷できない」と懸念するのは、道内最大のカキ産地・サロマ湖沿岸の湧別漁協の工藤輝之・かき部会長(49)。津波被害はなかったが稚貝はすべて宮城県産。仕入れ先とは連絡が取れない。同漁協のカキは1年もの。稚貝を広島県などから取り寄せられないか検討を始めたが、海に入れる4月を前に、「時間がない」。
 ホタテの養殖の盛んな噴火湾でも被害が出ている。ホタテ出荷量が年26億円に上る八雲町の八雲町漁協によると、ホタテをつるす養殖施設のロープが津波で絡まり合って、生育に大きな影響が出るという。中間生育している稚貝にも被害が出ており、同漁協の小川勝志専務理事は「ほぼ全域で壊滅的打撃。施設を新たにつくれば億単位の資金がいる。これからどうやって生活したらいいのか」と訴える。
 長万部町の長万部漁協でもほぼ同じ状態だ。同漁協は「ホタテを洗う機械も津波で水没した。どこから手を付けていいのか」。
 道によると13日午後3時現在、渡島、胆振、釧路、根室の4管内で、ホタテ、コンブ、カキ、ウニ、クロソイを養殖する15漁協で被害を確認している。(asahi.com)