Learning by doing

  • 2008年02月11日

環境ビジネスの世界はまだまだ試行錯誤の連続である。カーボンオフセットにしても排出権取引にしてもまだLearning by doingの状態である。しかし新しい試みというのは常にそういうものだと思っている。コンサルタントとして急速に進化しているマーケットに常にアンテナを張り巡らし、新しい知識を貪欲に吸収することに喜びを感じている。それらの知識は決して机上の空論ではない。実践で使用する為に必要な理論武装である。プロとして勉強することを止めた時は仕事を辞める時だと考えている。この習慣は社会に出た時からわが身に染付いている。外資系金融機関で長いこと働いていた。驚くほど進んでいた世界だった。飛び込んでみてカルチャーショックを受けた。

既に80年代後期には不動産の証券化を日本で実際に行っていた。その当時から電子メールを社内で用いていた。日本の金融市場ではTelexが全盛だった時である。金融の最新の商品の開発に長年携わることができた。ちょうど新しい商品が続々と開発されていた時代だったから常に勉強しなくてはついていけなくなってしまうような社会だった。デリバティブ、ABS、CDO、バイアウト案件、騒がれているサブプライムやモーゲージ等次から次に誰も開拓していない未知の世界に飛び込んでいかなくてはならなかった。そこに先駆者としてのメリットがあったからだ。17年間勤めてきて実感するが日本の金融機関の10年は先を行っていたのだろう。残念ながら金融市場は進化の限界点がきてしまっている。新しい商品の開発もなければ、小さなパイの取り合いに終始している。明らかに閉塞状態である。成熟してきたと言えば聞こえはいいが、若い世代が夢を見られなくなってしまっている業種になってしまったようだ。一方環境ビジネスはマーケット自体が手探り状態であるし、拝金主義者では決して働くことができない世界である。しかしこの世界にはとてつもない遣り甲斐と夢が詰まっていると感じている。