秋 山 海

  • 2007年10月15日

最近は週末も祝日も関係なく働いている。運動する機会が減ってしまい、体がすっかりなまってしまっている。これじゃいかん。いつの間にか急に秋が訪れている。運動せねば。というわけで、日曜日には朝6時に起床して、山に走りにでかけた。トレイルランニングである。湘南でも葉山・鎌倉辺りには絶好のトレイルランニングコースが複数点在している。本日のコースは三ヶ丘とよばれるショートコース。急な登り。鼓動が早くなり、汗が滴る。山頂からは江ノ島は勿論伊豆半島まで眺められる。反対側は東京湾を越えて房総半島までみえる。私は、誰もいない早朝の山を一人で走るのが好きだ。しんと静まり返った緑のトンネルを走る爽快感は味わったものにしかわからない。たまに反対側から同じように一人で走っている人とすれ違う。山の中では皆が挨拶を交わす。単にマナーの問題ではなく、自然の中にいると、人は穏やかな気持ちになるのだと思う。
私の好きな詩に中原中也の、「お天氣の日の海の沖では」というのがある。
青いまま熟すことなく去ってったボヘミアン中也。
(前略)さうして働いた幾年かの後に、                       
人は死んでゆくんですけれど、                       
  死ぬ時思ひ出すことは、多分はお天気の日の海のことです 


今日はバイオディーゼルカーの整備が終わったので早速試走してみた。大きな車体。バイオディーゼル車といっても、車両には何ら改造を加えていない。燃料が、てんぷら油の廃油をろ過したものを使っているだけである。車に改造を加えててんぷら油の廃油を直接流し込む方式もあるらしいが、(勿論排ガス規定はクリアしているが)この車はノーマルのディーゼルエンジンを搭載している普通のディーゼル車である。こんな大きな車を廃油を用いて動かす。バイオマス燃料であるから、計算上は温室効果ガスは排出していないことになる。細かい理屈は抜きにして、断然気持ちがいい。匂いもほとんど気にならないし、パワーだって十分である。ディーゼル車=悪というイメージが定着して久しいが、こうして再活用する事だってできるんだ。程よく古びた車。私は、機械が朽ちていく姿を眺めるのが好きだ。そして自分の手で何とか長生きさせていく事に快感を覚える。この車は大勢の人が利用するだろう。そして、皆に笑みをプレゼントすることだろう。