COP17 各国歩み寄りを

  • 2011年12月11日

COP17は、9日までの会期日程が延長されて協議が続いています。
既に報道されている通り議長案が昨日提出されました。
要旨は以下の通りです。
*すべての国が参加する新枠組みを、2015年までには採択
*新枠組み作業部会により、12年のCOP18で作業計画を決める
*第2約束期間は13〜17年/京都議定書を5年間延長。
*先進国全体で20年に温室効果ガスを90年比25〜40%削減。
*先進国は、12年5月までに削減目標を提出。
しかしこの議長案も異論が相次ぎ決裂の可能性も出てきたと報道されています。
南アフリカのヌコアナマシャバネ国際関係・協力相は「これまでの長時間にわたる交渉をむだにしてはならない」と発言して各国に歩み寄りを求めています。
議長案の5年延長に関しては、EUは8年の延長を主張しています。
また、京都議定書に変わる新たな枠組みについても効力発生時期についてまとまっていません。
京都議定書の単純延長には参加しないと表明している日本、カナダ、ロシアは、削減義務を課せられないことになります。
参加しないで独自の温暖化対策を進めて行くならば、参加してかつ日本独自の温暖化対策も進めてほしいと意見が多数出ています。
短期的にみて不況下において経済的負担を強いるのは経済界からの反発が強いのは事実です。
しかし日本が京都議定書延長した場合には参加しないと主張した事により京都議定書を潰したとの批判が日本に集中しているのは悲しい事です。枠組みを否定するなど簡単な事です。
そしてこれは京都議定書を批准する前から分かっていた事です。
多くの国々が集まって温暖化対策の為に一歩踏み出した取り組み。
勿論不完全なものです。しかしこれは次に繋げてより効果の高いものに作り上げていこうとする当初の理念から乖離しているわけでありません。
離脱するならばそれ以上に効果がでるものを示したいところです。
新枠組みが決まるまでは日本がとる道を決めなくてはなりません。
勿論温暖化対策は京都議定書だけではありません。
費用対効果を考えて日本が世界に流用できる技術を進めていく事が大きな貢献だと思います。
すでに国内産のクレジット創出は1,000件以上に及びおおきな流れになっています。
これは世界的にも珍しい取り組みでありきちんとした制度が既に運営されています。
また二国間取引なども日本がイニシアティブをとっています。
空白期間を作らない為にも、京都議定書とは別であっても温暖化対策は強固に続けて行く事になるでしょう。
大変困難な交渉が続いています。
そして本ブログも現地で頑張っている方も読まれていると伺っています。
ご健闘をお祈りいたします。