秋の夜長

  • 2007年11月10日

映画監督であり、作詞家であった祖父が尊敬していたのが日夏耿之介である。波乱万丈の人生を歩んだ祖父。彼は日夏耿之介のどこに惹かれたのだろうか?
幻想文学なるものは小生には難解すぎるが、「サバト恠異帖」「吸血妖魅考」といった妖怪物も執筆している。日夏耿之介も祖父も故人である。故人もお化けや妖怪を怖れていたというのがなんとなく面白い。小生はホラーやオカルトといった類のものは好きではない。もっというと、遊園地のお化け屋敷も入らぬ。ジェットコースターも嫌いだ。だから小生と一緒に遊園地に行っても決して楽しくないであろう。
そういった類の話は遥か昔から言い伝えられてきた。小泉八雲の『怪談』を英語で読む機会があった。英文でもなんとも物悲しい記述ができるのだなあと、我ながら不思議な感覚に陥ったのを覚えている。最近のホラー映画等は怖がらせる事だけを目的としているように思える。人間の悲哀といったスパイスがまるで感じられないのは自分だけであろうか。

難解な詩

  • 2007年11月09日

漢字は形が意味をなす。だから詩においては難解であっても相応しい字を用いるのはわかる。しかし、日夏耿之介の詩は小生には難解すぎる。そもそも読めん。さすが象形文字の美学を提唱しているだけある。それでも幻想的な文面にはひきつけられる美しさもある。夜の詩。秋の夜長。音楽でも聴きながら大正時代の大詩人に想いを馳せる。
黒夜
(前略) 
 ああ わたくしは 時あつて
 かの落月の最終列の一線が
 興ざめて漂ふころを
 喘鳴に己が全身を悶えながら頭をもたげ
 いと小声で 他耳を懸念しながら
 いと微かに 「神よ」とよぶ




熊ころり

  • 2007年11月09日

地球温暖化の影響で北海道の米の質があがっている。その反面、新潟や東北地方の米どころの質が厳しくなってきているらしい。勿論場所によっても差はあるし、品種改良の成果もあるだろう。北海道は米の生産量は前から多かったが、質の面で劣るというのが通説であった。
これからは北海道が米どころと呼ばれるのだろうか。札幌に日帰りで行ってきた。
最近北海道に行く機会が多い。米といえば酒。地方出張の機会があると、地酒をいただくことが多い。北海道といえば男山が有名だが、一夜雫や国士無双、福司などなど、一流の酒が多い。小生の好みは純米酒である。特に山田錦を使った酒が好きである。大吟醸はどうも香りが強すぎて余り飲めない。基本的に醸造酒は飲まないのだが、今回は一度飲んでみてくれと言われて、北海熊ころりという小樽の酒を飲んでみた。辛い。でもすっきりした飲み心地。悪くない。

Darfur

  • 2007年11月05日

オスカー俳優George Clooneyがいまだに解決しないスーダンのダフール地区で起こっているアラブ系の政府軍による非アラブ系住民への大虐殺の実態を歴史的に検証する映画を製作しているとの報道があった。日本でも知名度の高い人が勇気を持って行動をおこすと、かなりの影響力があるはずなのになあ。

湘南に住むということは

  • 2007年11月03日

湘南で暮らしているというと羨ましがられることがある。確かに、都会とは程よい距離があり、しゃれた店も多い。海にも山にも囲まれているこの地域には緩やかな時の流れがある。
魂を休めるために暮らすにはいい場所だと思う。それでも俺はこの町で暮らすことに時折息苦しさを覚える。緩やかな時間軸に自分を絡め捕られてしまいそうになる。それは現実を直視しない、自分の身の回りのことしか考えない極めて視野の狭い人間に陥ってしまう事への恐怖心でもある。居心地の良さに甘んじて平和ボケしてはならない。「そんなのどこで暮らしたっておんなじだよ」といわれたことがある。日本全国平和ボケ状態なのだろうか。確かに大人が観るに耐えられるテレビ番組は少ない。余りのくだらなさにテレビ画面をバットで割ってしまいたくなる衝動に駆られた人は多いだろう。NHKすら亀田親子の報道をしているその瞬間にも、民族浄化という名の虐殺が行われている。ルワンダの悲劇はDRCとスーダンに場所を変えて現在でも続いている。石油ルート確保のためにスーダンを支持している中国に対して、アメリカの上院下院の100名近い議員と、フランス議会は断固とした行動をとるように決起したにもかかわらず、日本政府は民意を愚弄する自・民大連合構想等で国会はストップしたままだ。視線を地元の町におとしてみても、不正で私腹を肥やした議員の罷免すら、保身のために出来ぬ町会議員が跋扈している。日本人は勤勉な民族である。それは本当だろうか。様々な国の人々と17年に渡り働いてきたが、どうも素直に頷けない。平均値は高いのだろうし、敗戦から立ち直り経済大国にしてきたのも事実である。しかし、現時点でもいえることなのだろうか?日本人は恥を知っている民族であった。そして恥をかきたくない事がエネルギーとなり、戦後の大経済成長の原動力になったのだろう。ハングリーさを失い、羞恥心すら薄らいできている日本人が、猛烈に頑張っている他の国の人々と比較して手放しで優秀だと何をもって言えるのだろうか。一流の工業製品を作っているからか?日本での学歴など世界の基準では通用しない。はっきりしなくてはならない肝心なところを曖昧にしてしまう体質が未だに根強い。それは日本の悪い文化であると思う。湘南で暮らすということは海や山に囲まれているので自然の移り変わりを間近に感じることができる。それはそれで嬉しいことでもあるのであるが、地球温暖化が進んできているのも肌で感じることにもなる。真綿で首を締めつけられてきている感覚である。環境問題を煽ってはならないと思う。Ecoとかロハスとか言う言葉を使うことすらためらっている。免罪符がわりにそれらの言葉を使っている輩が多いからである。それでも温暖化が加速しているのは事実だろう。結局どこで暮らしていようが、世の中を刮目し、行動を起こす勇気が必要なのだろうか。

ホームページの写真

  • 2007年11月02日

大変手前味噌ではあるが、弊社のホームページは大変好評を博している。有難いことだと思う。しかし、小生は実は写真を変更したいと常々考えていた。どんなに言葉を書き連ねても、一枚の写真には遠く及ばないことがある。琴線に届かない文章など読んだ傍から忘れ去られてしまうものだ。
山岳写真家の岩橋崇至氏の写真を一目見たときに強く心を動かされるものがあった。相変わらずの図々しさで、直接連絡をとって、個展開催中にもかかわらずお会いいただいた。
小生の勘も捨てたものじゃない。お話させていただくと、とても地球環境の悪化に心を痛めてらっしゃる方だった。自然を愛し、長年世界各地で撮影をされている方だから、肌で急速な環境悪化を感じられているに違いない。弊社のHPで使用させていただくことに本日快諾をいただいた。近日中に何枚かを早速差し替えたいと思う。
http://iwahashitakashi.com/

秋澄む

  • 2007年11月01日

ここ数ヶ月掛かっていた仕事が漸く片付いた。結果を残さなければ意味がないが、全力を出し切った仕事だったと思う。精一杯努力すれば何とかなるなんて甘い感情は持ち合わせちゃいない。それでも気分はいい。これも単なる自己満足なのだろう。デスクランチしか食べれないような状態が続いていたが、やっとひと段落である。と思ったら、今日は今日で昼を抜いてしまったが。暦は霜月に変わってしまった。大分寒くなってきたとはいえ暖房器具の出番はまだ先のようだ。薪ストーブに火を入れる入れる日を毎年記録しているのであるが、今年はいつになるだろう。ランドマークの周りを少しだけ散歩した。空気が澄んできた。もうすぐ雨が降る。




去年の同じ時期に撮った東京タワー

逃避行

  • 2007年10月29日

本当は今頃はNYに出かけているはずなのに。依頼いただいた件や、ご質問いただいた事が一杯あるというのに、それらをほっぽりだして海外にいけるような状態ではなくなってしまった。外はいい天気。気分だけ逃避行。
今日は「財界」の取材をお受けした。しっかりとした雑誌だし、企業の経営者の方々も多数購読されているので、弊社のPRにもなると思う。
そういう訳でスーツ姿で撮影。

マンハッタンに行くと必ず立ち寄る店の一つは、32nd BroadwayにあるパジョンとSUL LOON TANGが抜群に美味い Gahm mi oak。行きたいなあ。
今頃のセントラルパークは紅葉が綺麗なんだろうな。毎年数回は訪れている街だが、年内はいけそうにない。


  • 2007年10月26日

今日も葉山の朝は静かにおとずれた。

久しぶりの北海道

  • 2007年10月23日

帯広・十勝地方に出かけた。既に山の頂は雪帽子を被っている。十勝千年の森で植林を行った。ヒラウチワ楓とかつらを植えた。(白い板の手間にある赤い棒に見えるのがかつら)この寒い大地に根付いてくれるだろうか。淘汰されるのも自然の摂理。それでも自分の植えた苗木だけは育って欲しいと願ってしまう。冷え切った体を癒してくれるのは温泉。久しぶりにいいお湯に入れた。

そして北海道の酒を戴く。鳳雪。一夜雫。男山。開拓時代。
鮭児という魚をご存知だろうか。一万匹に一匹しかいないといわれる幻の鮭。両性具有らしい。お刺身かルイベでいただくと美味しいらしい。本日はお刺身で戴いた。とろけるような美味さ。手前に写っているもはブドウ海老。これまた美味い。十勝地方は海の幸も山の幸も美味い。夜はホテルのバーで竹鶴の21年物のウイスキーを戴く。北海道で飲むニッカはなんとなくいつもより美味しい。

冬になると水かさが減って現れるアーチ橋があるのをご存知だろうか。

まだちょっと時期が早かったので頭だけしか出ていない。小雪がちらついていた。真冬にもう一度きれいな姿を眺めてみたいものだ。
下の写真は同じ路線だった別のアーチ橋。そして廃駅。