秋の夜長

  • 2007年11月10日

映画監督であり、作詞家であった祖父が尊敬していたのが日夏耿之介である。波乱万丈の人生を歩んだ祖父。彼は日夏耿之介のどこに惹かれたのだろうか?
幻想文学なるものは小生には難解すぎるが、「サバト恠異帖」「吸血妖魅考」といった妖怪物も執筆している。日夏耿之介も祖父も故人である。故人もお化けや妖怪を怖れていたというのがなんとなく面白い。小生はホラーやオカルトといった類のものは好きではない。もっというと、遊園地のお化け屋敷も入らぬ。ジェットコースターも嫌いだ。だから小生と一緒に遊園地に行っても決して楽しくないであろう。
そういった類の話は遥か昔から言い伝えられてきた。小泉八雲の『怪談』を英語で読む機会があった。英文でもなんとも物悲しい記述ができるのだなあと、我ながら不思議な感覚に陥ったのを覚えている。最近のホラー映画等は怖がらせる事だけを目的としているように思える。人間の悲哀といったスパイスがまるで感じられないのは自分だけであろうか。