ガソリン補助金は消費者のためである
- 2022年10月26日
ガソリン補助金は消費者のためであって、石油元売会社のためではない。ガソリンスタンドのためでもない。
当たり前のことである。
石油元売り会社の多くが最高益を記録した。
2022年4~6月期の決算は、売上高と最終利益が同期で過去最高なのだ。
発表のタイミングが良くなかった。
原油価格が上がれば、在庫の評価益が出る。まあそれは考慮しなくてはならない。
当然だ。売上高が上がったのも、価格が高騰したことに起因することも大である。
しかし、最終利益について過去最高であるというのはどうだろう。
すべての補助金が小売価格に反映されているとは言い難いと思われても致し方ない。
いや、表向きには小売価格に反映したとしても、経費分をかさ上げしたら効果は同じである。
予算規模1兆円もの莫大な補助金が投入された。
給付先は石油元売りである。
この補助金で、卸価格を抑えて、小売価格を下げる仕組みだ。
これが適正に全て卸売価格に反映されているのであれば収益に影響はないはずだ。
顕著なマージンの上昇が見られた。
これは数量効果をはるかに凌いでいる。
そして、ガソリンスタンドが自分たちの経費の増加分を上乗せして小売価格を決め、小売価格が上昇した場合でも、それが補助金に上乗せされる仕組みに変更された。
かと言って政府が決めた補助金計算方法が全て悪いというわけではない。
その中には、表向きの「補助金はすべて卸値に反映している」と言った説明ではなく、「原油価格の変動を補填した」かどうか、「経費の上乗せ請求はゼロである」ことを、検証する必要がある。
原油価格の変動だけでなく、ガソリンスタンドでの小売価格の変動を含む制度になってしまった。ガソリンスタンドの判断が補助金の増額に繋がっている。値上げすれば増額されてしまうのだ。
当事者が決める裁量を与えることは避けなくてはならない。
石油関係者の懐に入って、消費者に還元されていない可能性はないのか?
経費の増加分について過剰なチャージがなされていなかったのか?
精製するための経費は上昇した。それはわかるが、上昇分と全て合致した増加でなければならない。
利益は全て在庫分の評価益であるはずである。
税金である。公金が投入された時点で、マージンの上昇は認めるべきではない。
これから電力についても補助金が出される。
日本だけではない。windfall profitについては、海外でも大きな問題として取り上げられている。
そして何件かは不適切だとされてきた。
日本国民も政府ももっと厳しく監視すべきである。
過剰な利益については、課税を進めるべきだろう。
補助金を使った以上は、徹底的な効果の測定と、透明性の確保が必要である。
説明不足である。
今の説明では理解できない。
このように感じている人は沢山いる。
最近お会いする官僚や国会議員の多くは、課題として認識している。
公金が適正に使われていることは、すべての根幹である。
この前提は透明性の確保である。