成果を発表すればいい それだけだ

  • 2023年02月08日

こんな事業を立ち上げます。

私はこんなにいいプロジェクトをやります。

資金調達に成功しました。

そんなことを一々リリースする必要はありません。

自分ブランディングに一生懸命になるならば、その労力を少しでもプロジェクト運営に回して欲しいものです。

きちんと成果だけを公表すれば良いのです。

なぜできないのでしょうか?

華々しくこんなことを立ち上げましたよりも、こんなことをやり遂げました。そしてこれからもつづけていきます、と控えめに公開する方が余程COOLです。

この仕事をしていると、多くのNGOや個人から相談をお受けします。

これまでたくさんの団体が、「始めてしまったけど、収益の目処が立たないのでなんとかして欲しい」と相談してきます。お金は払えないけど、やり方を教えて欲しい。

人脈を使ってスポンサーを紹介して欲しいと言われます。

自分たちはこんなに世の中にいいことをやっているのだから金儲けの方法ぐらいタダで教えろというのです。

協力できることはお手伝いさせていただくことは構いませんが、弊社はプロのコンサルです。タダで教えて欲しいということを前提に話されるのはいかがなものでしょうか?

情報交換と称して、情報を一方通行で教えて欲しいだけです。我々が学ぶことは一つもないことばかりです。

あれだけ、「こんなに素晴らしいことをやっています」と宣言をして、多くの人々を巻き込みながら、数年すればこの有様です。

いつの間にかweb siteが消え、自身の経歴からも密かに消されています。

随分とそんなことを見てきました。

環境に良いこと、世の中に良いことを考えるのは実は簡単なのです。開発課題はそこいら中に転がっているからです。
しかし、永続性を持たせるために、収益を恒常的に確保する事が何より大切です。

それがなければ長続きするわけもありません。
この壁を突破できないのであれば、私はプロジェクトを実施しません。

厳しいことを言います。
持続させることができないならば、多くの人々を巻き込んでしまい、迷惑なだけです。
多くの活動家や団体がこの点を曖昧にしています。
自己満足ではダメなのです。
いいことをやりたい想いは尊いことだと思います。
しかしそれだけではダメなのです。
自分が自立していないで、世の中を良くしようという考え方自体が間違っているのです。
自分が助けてもらってどうする。本末転倒です。Donation頼みや補助金頼りもダメです。経済的な自立が必要です。

誰もが本当は気がついているにも拘らず、この点をクリアできずにとりあえず進めています。
走りながら考えるはNGです。
成功するかどうかは、永続性があるかということと、効果があるかどうかということです。
どれだけの裨益があるのかを定量的に効果分析ができることが必要なのです。

一方で、仮説と検証を繰り返すような進め方も見かけます。そんなことを言い張る人もいます。

現場で何度も仮説と検証を繰り返すような時間的余裕もなければ、資金的余裕もないことが殆どです。
このアプローチの致命的欠陥は、現場を知らないで仮説を立てることなのです。
適切な仮説を立てれば検証の手間も、修正の手間も極限まで軽減できるのです。