創業10年-①
- 2017年09月09日
創業10年。
振り返ればあっという間だった。
いろいろなことを考えて、同じ日に二つの事業を始めた。
いずれの事業も軌道に乗った。
順風で来たかといえば決してそんな旅路ではなかった。
辛いこともあったし、素晴らしいこともあった。
10年間ブログを書いてきた。
愚痴をこぼすこともなければ、人様の悪口を言ったりもしなかった。
多くの素晴らしい方との出会いがあった。
いいプロジェクトを何件も実施してきた。
起業してよかった。
起業しなければ決して出会えなかった人々にも会えた。決して行かなかった土地を駆け巡った。
自分の弱さを痛感し、そして強い意志さえ持てば、大きな事業も実施できてしまうことを知った。
欠けていたピースを少しずつ埋めていくことができた。
貴重な10年だった。
これから何回かに分けて、いろいろ書かせていただこうと思う。
今後起業する人や、起業したてで苦労している人へ、私の経験を語る事で、
何らかの一助になれば良いなと考えている。
新聞や雑誌に連載をもたせていただいたり、講演会をさせていただいている。
しかしそれらで語ることはするつもりはない。
役に立たなかったらどうぞ読み飛ばしてほしい。
「人によって態度を変えないこと」の大切さ
常に等身大でいようとしてきたし、人によって態度を変えることをしたことはなかった。
10年事業をやれば色々なものを目にする。
強いストレスを感じたこともあった。
我が身を振り返ってみて、何をストレスと感じたかといえば、対人であった。
私は人によって態度を変えないが、逆に言うと態度を変える奴が大嫌いなのだ。
我が社は小さい。
小さいからといって、小馬鹿にされたことが何度かあった。
小馬鹿にするのは、役人か大企業の社員であった。
私は尊敬している官僚も多いし、出会った大企業の方々の多くは仕事ができる以前に人格者が多かった。
勘違いしていただきたくないのだが、役人の多くを尊敬している。
日本そして地域のために粉骨砕身働いている方々だ。
頭のキレも行動力も申し分ない尊敬できる方々である。
それでも極わずかだが、モンスター役人やモンスター社員に出会ったことがある。
そういう人たちとは、名刺交換した程度しかない。
ましてや食事など一度もしたこともない。
実はとても浅い交流しかない人たちだ。会っても数回しかない。
お互いのことは何も知らない。
そういう人たちにモンスター化する人がいる。
何度かであった。
一緒にプロジェクトを実施し、飲み食いを共にした人に一人もそんな人はいなかった。
要するに、そう言ったことができる人ではないのだ。
自信がないから、「自分は偉いんだ」と思い込もうとしている。
偉いというのは、仕事を発注する立場ということのみが拠り所である。
そんな経験をした人は、私だけではないはずだ。
少なからずそんな経験は皆持っていると思う。
「自分が発注者だ」「自分は大きな組織の人間だ」という事を傘に見下し、威張るのである。
私はこのような輩にも自分の態度を変えることはしない。
長年働いてきたから、多くの大臣や大臣経験者、知事、市長などの行政のトップ、外郭団体の理事、
大企業の社長にも知り合いが多い。
誰に頼るでもなく、自分で築いてきた人脈である。
少なくとも、知り合いを二人介すれば、日本のどの団体のトップにも必ず繋がることができる。
それだけの人脈は築いてきた。
だから、相手には穏やかに伝えるようにしている。
「あなたのやり方は納得できません。一度あなたの上司を交えて話しましょう」とはっきり伝える。
私が言う上司とは、話している相手の組織のトップである。
こちらに非があるのであれば間違えは正す。
しかし、勘違いしている輩には、このように対応することにしている。
私は本当にやってしまう。口だけで済まさない。
組織の代表は少なくとも双方の話を聞いて判断するし、私がここまでやるからには、
相手のやり方に落ち度があるとき以外ないのである。
所詮そんなことをやるのは下端しかいない。
そしてそういう輩には、同じ組織内でも反感を持っている人が沢山いるものである。
大きな組織であればこそ、まともな人ばかりであるからだ。
どんな役職だろうが、トップの器ではないのだ。 このやり方が正しいかどうかはわからない。
しかし、世の中には常識を超えた人々が少ないが必ずいるのである。
対処するには、無視するか向き合うか、そのビジネスを辞めるしかない。
私は向き合うし、一歩も引くつもりもない。
それで仕事が減ればそれまでである。
しかし、正当な理由なく仕事が減るならば、相手と戦うまでである。
大きな組織の人は立場があり、素性が知れている以上、実は脆い。
背水の陣で向かえば負けることはないのである。
強い人は、そもそも組織を傘になどしないし、威張ってはいない。
多くの人が、モンスター相手にだんまりを決め込むのだろう。
それが正しいのかもしれないが、私は善としない。
金を稼ぐ方法など幾らでもある。自分にはそれができる。
寧ろ、そんな輩を放っておくことは、次の犠牲者を生むだけだと考えている。
人によって態度を変えないということは、強い意志が必要だし、「常に謙虚でいる」ということである。
相手が老人だろうが、子供だろうが、大統領だろうが、同じ態度で接する。
ヤクルトのお姉さんだろうが、警備員だろうが、総理大臣だろうが同じ人間だろう。
人格者たれなどと高尚なことを言うつもりはない。
「態度を変えるなよ。格好悪いぜ」と言いたいだけだ。