定性分析と定量分析
- 2013年01月09日
プロジェクトの効果を定量的に分析する事はできるだろうか?
これは多くの課題があります。
不況下において環境への取り組みやCSRへの取り組みを実施するには、定量的な効果測定を求められることがあります。
環境会計やCSR会計も効果の可視化を行なう為には有効です。
しかし事業規模が大きい時にはCSR会計を導入するよりもKPIの方が分かりやすいとの声が多いのも事実です。
CSR会計の導入にはある程度の推測が入ってしまうのも否めません。
ならば定性分析の方が直感的に分かりやすくてよいとの考えが産まれても当然かもしれません。
OECD-DACで提唱された開発援助の評価基準に基づくと、妥当性、有効性、効率性、インパクト、持続性の5項目の中で、
効率性とインパクトに関しては定量分析が評価の視点として相応しいとされています。
では定量分析はどのように行なうのでしょうか?
数量的に算出できるものは以下の遣り方が良いのではないかなと考えています。
特に一般的に言われているものに必要に応じてIOを加味した方が現実的なのではないかなと考えています。
IOに関してはバウンダリー以外への影響を意味しています。
例えば、あるプロジェクトをある州で実施した場合に、他州や他の国に与えるインパクト
(雇用が実施した地区に流れるとか、物価が上昇したとか)を意味します。
つまりプロジェクトを実施することにより対象以外への影響があった場合にはそれを加味するという意味です。
- Before-After比較ではなくプロジェクト以外の要因による変化を含むBase LineおよびEnd Lineを使用する。
- プロジェクト以外の要因による変化はDifference in Differences方式等により求める。
- With-without比較では無く、自己選択によるバイアスの影響の無いような母集団からランダムによる抽出を行なう。
それでは数量変化のないものの定量化をどのように行なうのか?
地道なアンケート調査やヒアリング等の作業が必要になります。
しかし、アンケート内容やヒアリングの方法等によりばらつきが出てしまう恐れがあります。
完璧な定量分析は困難なのでしょう。
しかし調査母数が積み上げられて、回帰分析ができるようになれば調整係数が作る事ができるようになるはずです。
また5項目あるので、プロジェクトの効果測定を定量分析と定性分析を総合的に判断する事が大切だと考えます。
新年早々小難しい話しで失礼しました。