今日もお仕事です。
三連休は毎日出社しています。
出張が近いので、できるだけ国内にいるときに片付けてしまいたい案件があるからです。
それでも全く苦痛ではありません。
実は去年の11月あたりから、今後の方向性について思いを巡らしていました。
仕事は絶好調とは言わないまでも順調です。
しかし、この時期だからこそ事業の根幹を見つめなおす作業をしたかったのです。
何のための事業か?今後どうしたいのか?
原点に還ることができました。
『組織はトップの器以上にならない』と稲盛さんも含めて多くの経営者が仰います。
これは正しい言葉なのか?そもそもその意味もよくわかりませんでした。
大会社の社長ならば器は大きいというのか?雇われ社長と1代で築いた人も異なるだろう!
なんて考えてもしまいます。
『事業のモチベーションの軸が経営者個人の希望や欲、つまり経営者が何をしたい、何が欲しい、どう見られたい……。そういったものに置かれているならば、事業スケールはそれ以上にはならないからです。私は、世の中のニーズや社会の流れをくみ上げることが事業家の使命だと信じています。そこから外れてしまえば、ビジネスとして成立しえないとさえ思っています。また、もし何らかの評価や称賛を求めるのであれば、会社に対して、事業に対して、そして社員に対してであるべきです。』
U-NEXTの宇野社長の言葉です。
これは肚に落ちました。
自分の思いだけではその器の大きさにしかなりません。
未来を創るのが経営者です。
ようやく答えが出ました。
自分なりのやり方ではありますが、今後の軸はしっかりと見つめなおすことができました。
誰もがパリ協定発足に伴いカーボンマーケットは活況になるといいます。
果たしてそうだろうか?
おそらく日本で一番取引をしているであろう当社の感覚からすると若干懐疑的にみています。
達観しているというよりも、日本独自の取り組みを、敢えてパリ協定外でも促すような流れを作りたいと考えています。
これは京都議定書の反省に基づいています。
計算とモニタリングは必要だが、それに費用と時間が掛かりすぎるのならば本末転倒ではないか?
認証プロセスの簡略化、費用軽減無くして促進するのは困難です。
民間でもやれることは多いと思っています。
二重計上や詐欺が発生しないような仕組み作りは必要ですが、認められなければ削減したことにならないわけでもありません。
また、CO2削減したクレジットで儲けたいという人ばかりでもありません。
当たり前のことが当たり前に認められるような仕組みが出来れば良いと思っています。
JCMも次のステージに入ったようです。
世の中に事実はない。OPINIONがあるだけなのか?
昨年から様々な議論が巻き起こっていますが皆さんどのようにお考えでしょうか?
Post-truthは「様々な見方がある」というのではなく「捏造」なのでしょうね。
リライト然りで、とにかく検索順位を上げるように血眼になる人々。
大量の文章をネットに載せることにより事実のように偽る風潮。
PV依存症なのでしょう?PVが上がれば世論形成や、知名度向上には役に立つのでしょう。
しかし事業内容や時と場合によりけりではないでしょうか?
私は寧ろPVに依存しないビジネスモデル構築に注力して来ました。
webは誰が見ても見なくても構いません。
千人が眺めるだけよりも一人が読んで行動を起こしてくれる方が余程ありがたいからです。
事実が事実として報道されない時代。
リテラシーをどんなに向上しようが対応しきれません。
ネット社会は何をやっても自由なわけではないはずです。
ましては大国の大統領選がpost-truthの影響に直面するのは由々しき問題だと考えています。
規制が追いつかないから、好き放題の捏造ばかり。
転職サイトもグルメサイトも自作自演やデマを流している。
真面目にやっているサイト運営者が迷惑です。
PVの多少に神経質になる文化はそろそろ終わりにしたいものです。
IPOやM&Aにおける企業評価にもPVを重視しすぎだと思います。
自作自演の証明責任を全うするのは大変なことです。
モラルを問うのではなく、モラルがない人たちに歯止めをかけるには規制しかないでしょう。
国際的なルール作りを希望します。
昨年は格別のご厚情を賜りお礼申し上げます。
本年も全力で進んでまいる所存でございます。
昨年同様ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
みなさまのご健勝と益々のご発展を心よりお祈り致します。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
ちょっと年初から長文になってしまい恐縮です。
正月は気になることがあり原書を取り寄せました。
昨年はおよそ300冊を読みましたが、理解することなく引っ掛かった言葉がある本1冊を選んで
熟読しています。
Peter Thiel のZERO TO ONEです。
有名な本だし、文面は簡潔なのですが、どうしても腹に落ちないでいたからです。
正確に申し上げると、筆者の問いに対する自分なりの解を見出せずにいました。
直球を投げられているのに、きちんと受け止めることができない自分にケリをつけたいと考えています。
いろいろな方が、「5年後はどんな仕事にしていたいのか?10年後は何をやっているのか?」
と将来のビジョンを私に尋ねられます。
勿論自分なりにやりたいことは明確にあるのですが、それについての確信を持てないでいます。
曖昧に答えることしかしませんでした。
なぜ確信を持てないのか?
曖昧にしか答えたくないのか?
事業を立ち上げるのは簡単です。
儲かりそうな事業を作ることもできます。
しかしそこに社会性を持たせることが永続的に可能かどうか?
という一点については曇りが出てきてしまいます。
将来を予測することができないからです。
結局『前世紀の半ばから劇的に進化したのはコンピュータと通信だけだ』ったからです。
そしてドットコムバブルが弾けたのと同様に、環境ビジネスで成功している企業が
極めて少ない事実を受け止めなくてはなりません。
13章はSEEIG GREENです。そこに環境ビジネスについて次のように書かれています。
It did`t work. Instead of a healthier planet, we got a massive clean tech bubble.(中略)
Why did clean tech fail? (中略) Most clean tech companies crashes because they neglected one or more of the seven questions that every business must answer. とあり、7つの質問に何もきちんと答えられていないとしています。
また、『クリーンテクノロジーの起業家は救いようのないほど市場の捉え方を勘違いしている。自分たちの差別化を強調できるようにわざと市場の範囲を狭め、そのくせ市場が巨大で儲かると言って価値を高く見せたがる。』としています。
環境ビジネスを10年営んでいると、環境バブルが弾けた今、永続性があり自らがラストムーバーになれる戦略を描かなくてはなりません。
そのためには『今から10年先20年先に、世界はどうなって、自分のビジネスはその世界にどう適応しているのだろうか?」を見極めなくてはなりません。
太陽光ビジネスの失敗を『blame china』『shale gas』『government failure』のせいにすべきではありません。
それぐらい予見できなかったから永続性を確保できなかったのだと総括されてしまうだけです。
中国の参入も、シェールガス開発も、FIT価格の低下も何年も前から予見できたはずだからです。
『Great companies have secrets: specific reasons for success that other people don`t see』
『The best projects are likely to be overlooked, not trumpeted by a crowd; the best problems to work on are often the ones nobody else even tries to solve』にならなくてはなりません。
これは大変なことです。そして答えが出たならば容易に人に言える話でもありません。
本書では『逆説的だけれど、エネルギー2.0を生み出す起業家は、小さく考えることが必要になる』ことがヒントになるのでしょう。それは小さな仕組みを作るという意味ではありません。小さな市場を独占するようなビジネスモデルを意味します。
『スタートアップではチームで働くことが原則で、かつ実際に仕事をやり遂げるにはそれを少人数にとどめる必要がある』との言葉には溜飲が下がりました。
徹底的に人のクオリティに拘り、少人数に拘ってきました。
自分よりも優秀な人を積極的に採用し、仕事を完全に任せる。
これは賭けでもありますが、任せられる能力は見切ったうえで採用しています。
competition and capitalism are opposites. 競争は資本主義の対極にある。
この言葉の持つ意味は重いです。この一文を理解することに時間を要しました。
カーボンフリーコンサルティングは、環境専門のコンサルです。
しかしコンサルの枠を超えて、起業家であり、投資家でもあります。
専門領域は狭いようですが、広くそして深い。
やれることはいくらでもあります。
その中で、隠れた真実を見出し、使命を共有し、ベストな道を選びたいと思います。
『先人の通った道は行き止まりかもしれない。隠れた道を行くべきだ。』