改憲派と護憲派
- 2016年07月13日
改憲勢力が改憲発議可能な3分の2を占めたとの報道が盛んだが本当なのだろうか?
改憲派と護憲派に2分されているが、民進党は護憲派だったのだろうか?
民主党時代はマニフェストでも改憲して「未来志向の憲法」を掲げていたはずだ。
2013年には、枝野幹事長は『文芸春秋』10月号に「憲法九条 私ならこう変える 改憲私案発表」と題する論文を発表していた。
その中には、9条の2、9条の3を追加し、自衛権に基づく実力行使のための組織を規定している。
また、集団的自衛権の行使、多国籍軍参加を容認している。
選挙期間中にも「「まず護憲ではない。私たちは(憲法が)良く変わる、なおかつ基本原則を前提にして微調整・微修正することはは否定していない」と語っている。
ならば、民進党は改憲派という理解でよいのではないだろうか?
今回の参院選は、草案に対して何ら対案を用意していなかった。
改憲反対なのかと質問されると、「一文字も変えるなとは言っていない」という、意味不明の発言しか幹部連中はしていない。
共産党と組んだ以上は、改憲とは言えない。
そして、対案を出すことはすなわち、改憲推進を認めたことになる。
つまり用意していなかったのではなく、選挙で共闘した以上は、対案を表立って出せなかったのだ。
政権批判票を集めたかったからに他ならない。
だから選挙の争点隠しは、民進党の方が行っていたことになるだろう。
安倍政権下では、改憲したくないとするのであれば、当然のことながら国民の理解は得られない。
今回の民進党敗因は、結局のところ魅力がなかったことに尽きる。
全国世論調査では、「野党に魅力がなかったから」が71%という結果だ。
都知事選でも同じ過ちを犯している。
都政の長へ立候補したのに、何ら政策を用意してこないことなどあり得るのだろうか?
なぜ都政で脱原発や改憲の話が冒頭に出てくるのだろうか?
戦うのであれば、その土俵を間違っているのではないか?
誰のために働くつもりなのだろうか?
私には民進党が何をしたいのかが理解できない。
立ち位置は保守政党なのではないだろうか?
世界的にはすでに自民党ですらリベラル色が強いからだ。
意外に思われるかもしれないが、比べてみてほしい。
日本が健全な方向に進んでいくためには、野党との切磋琢磨は必要だ。
しかし、この状態では自らの首を絞めているに他ならない。
改憲派ならばはっきりと、より良き憲法を作るように対案を出した方が良いと思う。
個人的には兎に角「9条の精神」を残してほしい。これほど美しい条文はない。
自衛隊、集団的自衛権についてのみ加筆を行っていただきたい。