自分で考えて行動する事
- 2012年10月14日
昨日は東京油田で有名な株式会社ユーズさんでの社員研修で講演をさせていただきました。
環境は、経済、教育、人命、国防にまで影響するものなので、単一的に考えないで複眼的な見方を養っていただく為に多くの実例を挙げて皆で考えていただきました。皆さん優秀でとてもまじめに取り組まれていました。
自分で考えて、正しい知識を吸収して、正しい行動をする事。
行動的な無知では危険です。
頭でっかちでは何も解決できません。
例えば、フードマイレージ。遠くのものよりも近くのものを消費しましょうという動き。
決して悪いものではありません。
しかし、距離だけでものを考えてはなりません。輸送工程でのCO2などより遥かに製造段階での排出量が多い事が殆どだからです。
例えば、近くのハウス農家の野菜と、遠くの露地栽培の無農薬野菜ではどちらがCO2が少ないでしょうか?
そもそもCO2だけで人の健康の尺度が入っていないでよいのでしょうか?
決して地産地消を否定したりフードマイレージを悪く言うつもりはありません。
地産地消多いに結構。
しかし意義の明確化が必要であり、単一的な視点で論じるのは危険だという事です。
農業をめざす若者が増えています。しかし闇雲に頑張れと背中をおしてよいものかは疑問が残ります。
現代農法は環境の側面で考えると、大きな排出源になっているのも事実です。
炭素貯蓄の大きな比率を占める地表を削り掘り起こし、化学肥料を使い殺菌剤を撒く。
巨大な排出源になっているだけでなく、水問題の主たる原因にもなっています。また、TPPでの議論で取沙汰されるように、食料自給率と経済発展の綱引き。
全ての業界が自由競争の荒波で大変な苦労をしている中で農業分野の改革が遅れ、多くの税金が使われて支えられている事は改善しなくてはなりません。
農法を見直す必要性、規模を見直す必要性を感じます。
無農薬野菜を栽培することだけでは労力が増えすぎてしまうはずです。ならばアニス農法を実施してみてはどうでしょうか?
ご存知ないならば勉強する必要があるのではないでしょうか?
既に多くの野菜が市中に出回っている確立された技術を導入しない手はないはずです。
小規模農家は集まって法人化を進めて効率化を図り、水耕栽培等一部野菜工場等の導入も視野にいれていく方が良いかもしれません。
いずれにせよ勉強しなくてはなりません。そして行動しなくてはなりません。
自然素材だからとパーム油が流行りましたが、森林伐採が加速してしまった歴史を振り返る必要もあります。
フェアトレードでよく使われるコーヒー豆。いいことでしょう。しかし、o.o.2%しか使われずに廃棄されている現状を振り返り、廃棄物の再資源活用を進めなくてはならないでしょう。自然界にはごみはないのですから。
これからの経済は、レッドエコノミーという狭い視野に捕らわれてはならないはずです。
TOPの一部しか推進できないグリーンエコノミーだけでは環境を変化させる力にはならない事を認識すべきでしょう。
人口の大部分を占めるBOPには安かろう悪かろうの商品を販売するビジネスモデルは通じません。
少なくとも地球環境のキャパシティをすぐに突破してしまいます。
富の共有。自然のカスケード的な視点から入り口から出口までを繋ぐ経済活動を進めるのは容易ではありません。
だからこそ勉強してアイデアを出し合う必要があります。
環境の世界はそんな事に溢れています。