英国のEU離脱に寄せて
- 2016年06月26日
世界恐慌だとのニュースが記事が目につきます。
果たしてそうでしょうか?
持論の展開をするのは好きではありませんが、ちょっと整理してみたいと思います。
まず、重要な点としては次の二つが挙げられます。
* イギリスの通貨はユーロではない。
* イギリスが破綻したのでもない。
このことを冷静に受け止めるべきだと思います。
何より、危機を煽り、EU加盟の負の部分のみを広めることの方が問題は大きいと考えます。
思いもしなかったという発言が飛び交っていますが、それはいかがなものでしょうか?
サミットでも取り上げられましたし、そもそも国民投票を行うことは予め全世界が知っていて、さらに票は拮抗していたのですから。
その片方に振れたからといって思いもしなかったというのは、そもそも真面目に考えていなかっただけなのでしょう。
初めての事態というのならばその通りですが。
英国の離脱により、EUと言う「制度」が瓦解する可能性が高まることが最も高いリスクなのでしょう。
まずは、冷静になり、沈静化するようにチカラを合わせるべき時なのでしょう。
この事態は、経済問題というよりも政策問題と解釈した方がよいです。
大量の移民が入ってきて、特に単純労働の雇用が奪われたら、流石に弱者は生きていけない危機に直面します。
その数毎年20万人に登ります。
経済移民の受け入れ制限とEU加盟は密接であり、これは自国にいる弱者を守るためにも必要なのでしょう。
保護すべきである難民の制限ではありません。経済移民のことです。
経済移民は、2004年にEUに加盟した旧東欧諸国からの移民労働者が主流です。
水は高いところから低いところに流れて拮抗したところまで行き着く。
経済国へ、流れていくのは自明の理です。
その逆に、イギリス人が旧東欧諸国へ移民労働者になることはあるのか?
決してそうはなりません。
ならば双方向ではなく一方通行です。
キャメロン首相は政策をミスしてしまったのでしょう。
EUは理念は理解できるが、自国の弱者対策がなおざりになっている。との批判は強かったのです。
また、自国民の利益を守ることよりもEU加盟国全体の利益を守るならば、経済統合ではなく、政治統合が必要になります。
果たしてそんなことができるか?
EUの大統領のフルネームを言える人がどれ程いるのか?
EUは経済連合ではありません。欧州自由貿易連合は別にあります。
ならば、経済統合だけではなく、政治・政策の共有化を進める必要があるのでしょう。