大雨が降ったら、
下水道へ流せばよい。
長い間、都市の雨水対策は基本的にこの考え方でした。
もちろん下水道は、私たちの生活を守る非常に重要なインフラです。
しかし短時間に大量の雨が降れば、処理できる量には限界があります。
道路から水があふれる。
地下へ流れ込む。
マンホールから水が噴き出す。
こうした都市型水害が発生します。
だから最近では、
「全部流す」
という考え方から、
「流す、貯める、浸透させる」
という考え方へ変わり始めています。
大きな地下貯留施設だけではありません。
公園。
学校。
駐車場。
ビル。
住宅。
街全体で少しずつ雨を受け止める。
これからの治水は、
巨大な施設だけでなく、
街そのもののつくり方を変える取り組みになっていくのだと思います。
同じ量の雨が降っても、
森に降る雨と、
都市に降る雨では、
水の流れ方が違います。
森林や土の上に降った雨の一部は、地面へ染み込みます。
ところが都市では、
道路。
駐車場。
建物。
コンクリート。
地面が覆われています。
雨は地中へ浸透することができず、一気に側溝や下水道へ流れ込みます。
川が氾濫していなくても、街が浸水することがあります。
いわゆる内水氾濫です。
都市化とは、
便利な街をつくることでもありました。
しかし同時に、
「雨を吸収できない街」
をつくってきたとも言えます。
これからの都市づくりでは、
雨をどう排水するかだけではなく、
雨をどこで受け止めるのか。
そこまで考える必要があります。
最近、大雨のニュースを見ることが増えました。
「記録的な大雨」
「これまでに経験したことのない大雨」
こうした言葉も、以前ほど珍しくなくなりました。
実際、日本では短時間に降る強い雨が増える傾向にあります。
気温が上昇すると、大気中に含むことのできる水蒸気の量も増えます。
そして条件がそろえば、それが一気に雨となって降ってきます。
気候変動というと、
CO₂排出量。
再生可能エネルギー。
省エネルギー。
こうした話が中心になりがちです。
しかし、気候変動によって実際に私たちの生活や企業活動に起こる変化も考えなければなりません。
大雨も、その一つです。
脱炭素は「緩和」。
大雨への備えは「適応」。
これからの環境対策には、その両方が必要になっています。
あと4ヶ月で今年も終わりますね。
あまりにも早いですね。
弊社はもうすぐ設立19周年を迎えます。
20年目に突入します。
今年は上場企業にグループインすることになり、新分野への挑戦も始まっています。
変化の年となりました。
まずは、あと4ヶ月頑張ります。
Removalは、DACだけの話ではありません。
廃棄物・資源循環の世界にも大きく関係します。
例えば廃棄物焼却施設では、プラスチックなどの化石由来炭素と、紙、木材、食品などのバイオマス由来炭素が一緒に燃えています。
ここで発生したCO₂をCCSで回収したとします。
化石由来のCO₂を回収すれば、基本的には排出削減です。
一方、植物が大気中から吸収した炭素に由来するCO₂を回収し、長期・永久貯留できれば、その部分はRemovalとして評価される可能性があります。
同じ焼却施設。
同じCCS。
同じCO₂1トン。
それでも炭素の由来によって意味が変わります。
バイオ炭も同じです。
バイオマスを炭にすれば、すべてRemovalになるわけではありません。
原料は何か。
製造時にどれだけCO₂を出したか。
炭素は何年間残るのか。
追加性はあるか。
MRVはできるか。
こうした条件を見る必要があります。
森林やブルーカーボンについても同様です。
これから大切なのは、
「クレジットを何トン作れるか」
だけではありません。
その1トンは排出削減なのか。
Removalなのか。
どれだけ長く炭素を固定できるのか。
そして、誰がその1トンを必要としているのか。
カーボンクレジット市場は、
「何トンあるか」
から、
「どの1トンなのか」
を考える時代へ入っているように思います。