懐かしいパンフレット

  • 2025年10月14日

押し入れの奥でひっそりと眠っていた段ボール箱の蓋を、そっと開けてみました。

すると、35年前のパンフレットが顔をのぞかせ、時の流れを一瞬で飛び越えたような気持ちになりました。

早稲田ジャズ研、SWING & JAZZ CLUBのリサイタルの案内です。

関心のない方にはただの紙切れかもしれませんが、ページをめくるたびに、胸の奥が温かくふわりと震えました。

紙の手触りやインクの匂いが、あの頃の記憶を呼び覚まし、まるで音が聞こえてくるような錯覚にさえ包まれます。

あの頃、みんなで集ったMILESTONEの空気や、居酒屋のざわめき、笑い声やグラスが触れ合う音までもが、まるで昨日のことのように蘇ります。

自分がバイトしていた千歳橋のピザ屋にも、勇気を出して協賛をお願いしたことがありました。

小さな一歩でしたが、思い出の中では大きな輝きとして、今も心に残っています。

懐かしい出演者の名前を見つけるたび、あの熱気と興奮に包まれた舞台の空気が、指先にまで伝わってくるように思えます。

あの同期たちの何人かは、今も音楽の道を歩み続けていることを知り、とても嬉しく感じます。

時は流れても、音楽がくれた絆は色褪せず、心の奥で確かに生き続けています。

ページの間から、あの頃の笑い声や楽器の響き、夜風に混ざった居酒屋の香りまで、すべてが鮮やかに蘇ります。

押し入れの奥で眠っていた段ボール箱は、ただの箱ではなく、自分にとっての小さな宝箱であり、記憶の守り人のように思えました。

そして何よりも、こうして音楽を通じて再び出会えたことが、何ものにも代えがたい、深い喜びです。

あの瞬間の熱気、あの夜の笑顔、あの音の余韻――すべてが、今の自分の心を優しく満たしてくれます。