当たり前の事をやる事が何故難しいのか?
- 2012年11月05日
「規模より採算めざす」と発表したパナソニック。 7650億もの巨額の赤字が2013年3月期に出ると発表された企業の今後の方針としては拍子抜けする内容です。
前期は7721億円の赤字です。
事業規模の追求から採算重視路線に転換、収益立て直しを急ぐとしています。
何故売上高に拘るのか?
企業が陥る罠の一つです。
売上高が大きいと雇用を産むし、シェアを確保した時の副次的な効果も考えられます。
しかし、収益と売上げは比例するものではない。価格が下落した市場において顕著です。
1万人の会社で100億の赤字を出すのと、10人の会社で1億円の利益を出すのとどちらが優秀か?
これはケースバイケースなのでしょう。
企業の社会的ミッションと、長期的な視点での会社の価値を考えれば一概に後者が勝ちとはいえないかもしれません。
しかし、今回の巨額な損失により軌道修正するタイミングは遅いと思います。
特に、再参入した欧州でのスマホ事業の再撤退もコスト要因。更に8000億円を投じた三洋電機の買収も5000億円の減損計上を行っています。
前回の赤字決算発表で、パナソニックは集中と選択を徹底的に行って新規成長分野に経営資源を集中して、赤字体質からの脱却を目指すとしていました。
急がないとならないと思われます。
右肩上がりの経済発展が見込めない中での日本的経営手法の模索は実に厳しい。
しかし米国が直面した資本主義の限界と投資銀行といったビジネスモデルの終焉から学び取ることは多いと思います。
「価格でなく価値で売る」としたのは日本マクドナルド。
営業利益で6年連続、既存店売上高で8年連続プラスの好業績を維持する。
かつて、ハンバーガーを59円に値引きし、「バーガーは安物」のマイナスイメージまで残し、赤字転落を余儀なくされた。
原田社長は「不況下とはいえ、完璧に間違った経営戦略。値引きで新たな消費市場は生まれない」と語っています。
現在の牛丼戦争などはどのように出口を見つけ出すのでしょうか?
「価値」をどのように見いだすのか?いや「価値」をどのように作り出すのか?
外食産業の価値とは「味」だけなのでしょうか?
その他のサービスやブランディングは?
少なくとも経営者が適切な舵を切らなければこの不況下で進んでいく事はできないのでしょう。