キャンバス

  • 2013年03月31日

風に揺れている朽ちかけた伝言板

裏切られるよりは彷徨う方がいい

 

便りがない日々に寂しさだけ募ってゆく

影を引きずるぐらいなら名もない鳥でいい

 

陽炎のように揺らいでいる約束の場所

遥か遠くの街

 

誰かが全部幻だと教えてくれたら僕は

何処へ行くだろう

 

主を捜している 逸れた雲に話しかける

何にすがった時に一つの旅は終わるんだろう

 

月は今日の夜もしんしんと照らしている

想うのはただ愛しい人の胸で眠りたい

 

たとえ幻であってもせめて一夜の

温もりに酔いしれたい

 

心の奥で消えかけた僅かな明かりを

もう一度両手でつつんで

 

by Masayoshi Yamazaki

 

 

 

去り行く春を残しておこうと

一枚の絵を描く

キャンバスに集中して無になる暫しの時間

(実はいつも相当大きな絵である)