生分解性プラスチックは自然界で分解するのか(第2話:ヨーロッパで使われている理由)

  • 2026年04月01日

「でもヨーロッパでは普通に使われてますよね?」

ここで必ず出てくる疑問です。

確かにヨーロッパでは、

生分解性プラスチックやコンポスタブル素材は使われています。

しかしここで重要なのは、

素材が優れているから普及したわけではない

という点です。

答えはシンプルです。

“インフラがあるから成立している”

です。

ヨーロッパの多くの地域では、

・生ごみ(バイオ廃棄物)の分別回収
・産業用コンポスト施設
・明確な分別ルール

が整備されています。

つまり、

・食品残渣
・コンポスタブル袋
・一部の包装材

これらをまとめて回収し、

高温・高湿度の施設で処理できる

仕組みがある。

ここが前提です。

逆に言えば、

このインフラがなければ成立しません。

欧州委員会も、

コンポスタブルプラスチックは

「適切に回収され、処理される場合に限って有効」

と整理しています。

つまり、

“素材単体で環境問題を解決するものではない”

という公式な立場です。

さらに重要なのが、

用途が限定されていることです。

ヨーロッパでも、

何でもコンポスタブルにしているわけではありません。

むしろ逆で、

・食品と一体で回収されるもの
・分別が難しい小型のもの

など、

リサイクルが難しい用途に限定されています。

例えば、

・生ごみ袋
・ティーバッグ
・食品ラベル

こうしたものです。

ここから分かるのは、

コンポスタブルは

「リサイクルの代替」ではなく

「リサイクルできない領域の補完」

だということです。

さらにもう一つ、

誤解されやすい点があります。

「家庭でも堆肥化できるのでは?」

これも半分正しく、半分違います。

確かに一部の製品は、

家庭用コンポスト対応とされています。

しかし実際には、

・温度が足りない
・分解に時間がかかる
・完全に分解しないケースもある

といった課題があります。

欧州の整理でも、

家庭用コンポストは条件が安定しないため、

慎重な運用が必要とされています。

つまり、

ヨーロッパで起きていることは、

こうです。

「生分解性だから自然に還る」ではなく、

「回収して、適切な施設で処理している」

という話です。

ここを間違えると、

本質を見誤ります。

第2話の結論です。

ヨーロッパで生分解性プラスチックが成立しているのは、

素材の力ではなく、

回収と処理のシステムがあるから

です。

そしてその用途も、

かなり限定されています。

つまり、

これは“魔法の素材の話”ではなく、

社会システムの話です。

新年度、なぜいきなりCO2算定なのか

  • 2026年04月01日

4月。

多くの企業にとっては「新しい期のスタート」です。

しかし2026年以降、この“新年度”はこれまでとは意味が違います。

なぜなら、

CO2排出量の算定が「やるかどうか」ではなく「前提」になるからです。

これまで脱炭素は、

・意識の高い企業が取り組むもの
・広報やCSRの一部

という位置づけでした。

しかし今は違います。

サプライチェーン全体で排出量の開示が求められ、
「排出量を把握していない企業」は、

・取引から外れる
・資金調達で不利になる

という現実が始まっています。

実際、企業の脱炭素対応は
単なる環境対応ではなく、

「取引条件そのもの」になり始めています。

つまり新年度にやるべきことはシンプルです。

まず、測ること。

削減はその後です。