眼鏡橋
- 2020年12月05日
中学2年生の夏だった。
父から呼び出され、小遣いを渡された。
この金で一人旅をしてこい。
とのことだった。
果たしてどこに行けば良いのだろうか?
14歳のオイラは、電車に乗って南に向かった
初めての寝台列車
夜に東京を出発した電車は
明け方に瀬戸内海を通過した。
辿り着いた先は長崎だった
何故この街を選んだのかは記憶にない
しかもちょうど精霊流しの時期だった
1982年7月23日の夕方にこの街を襲った集中豪雨により
眼鏡橋が決壊した
壊れた橋を見たことを覚えている
あの時何故父が一人で旅をさせたのかはわからない。
今の時代では許されないのかもしれない。
今思えば、夏休みを一緒に遊んでやれない贖罪だったのかもしれない。
理由は何でも良い。
父には感謝している。
もうすぐ父の命日である。