数値ありき
- 2012年06月10日
テレビでオリンピック関係団体の役員が、オリンピックでの具体的なメダル獲得目標数を提示して、各団体に「目標達成の為に獲得するようによろしくお願いします」と話していた。
実に不思議な光景である。
誰もがメダルを欲しいに決まっているし、選手は努力している。
お願いしますと言って獲得できる訳ではない。
数値ありきの目標はHOWが抜けていては意味がない。
仏を作って魂入れずならばいいが、役員が勝手に数字を述べるだけで何が変わるのだろうか?
日本は強化費がライバル国に比べて低い。
「よろしくお願いします」でメダルが採れれば苦労しない。
気合いと根性だけでメダルが採れるのだろうか?
北京オリンピックの時の日本の強化費は27億円。
ドイツは274億円である。中国、アメリカ、イギリス、韓国も日本の数倍である。
お金だけではない。運動教育も含めてどれだけのインフラを整えてきたのか?
その結果が成果として表れるはずなのに、委員が「何個採れ」といってとれる物ではないだろう。
これは企業においても言える事だ。
数値目標だけを掲げても業績は上がらない。
その数値に至る為の具体的な有効な手段が無ければ効果は上がらない。
ハッパをかけることや一時的なインセンティブを上げるだけでは根本的な解決にならない。
そして業績を上げる事がどんな意味があるのかをも含めて根本を経営陣はもう一度「何故?」と見つめなおした方が良いと思う。
会社の業績が上がる→社員にはその内の一部を還元する。
という単純すぎる構図だけでは、価値観が多様化している今日においてはベストな解決方法にはならないだろう。
変革の為の具体策を上層部が構築する事ができるかどうか?
これが全てであると思う。