創業10年-②

  • 2017年09月10日

今からブラジルに向かう。

かなりハードなスケジュールだが、多くの方々と再会できることを楽しみにしている。

 

地球の反対側。

150万人もの日系人が暮らす国。

私たちよりも綺麗な日本語を話す方々がいる。

途方もない苦労の末に、豊かな生活を手に入れた方々がいる。

そういう人々は、苦労話をしないものだ。

地獄のような日々を経験した人は皆そうだ。

簡単に口を開かないし、自分でも思い出したくもないのだ。

史実に紛れ、日本では殆ど知られていないことが多い。

戦後移民計画、アマゾン牢人。その数4万人以上。

高度成長期に日本に居たものと、移民により人生を切り拓こうとした人々は、

その後あまりにも大局的な人生になった。

ブラジルでお会いする方の中には、そのような方々も多い。

優しく、そして強い。どこまでも強い方々である。

多くを学ばせていただいている。

 

然るべき人にもお会いするので、ジャケットとタイは必需である。

これらは専用に区分けして運ぶ。Tシャツなどは丸めて一つの袋に並べて入れる。

こうすればシワになりにくい。

 

パクリ屋への対応

さて今日は、パクリ屋のことを話そう。

起業すると付いて回る真似っこのことである。

自分が生みの親なのに、そっくりなことを後から初めて掻っ攫う輩のことである。

私も創業後数年間は悩んだこともあった。

まず、製造業であれば法的に守ることは可能なことがある。

特許申請などは早々に行うべきである。

しかしソフトになると、日本においては全く守りようがない。

ビジネスモデル特許なるものは確かにあるが、申請が通る可能性は低いのが現実である。

よほどの技術が無ければならない。

ソフトというよりも、結局はハード寄りの制度なのだ。

ならば商標はどうか?

ないよりはマシであろう。いや確かにあったほうが良い。

しかし、商標で守れるものは何だろうか?

名称やロゴマークぐらいだろうか?

それでも業種によっては大変重要な時もあるだろう。

しかし重要でもない業種もたくさんある。

ビジネスモデルを真似されることを防ぐことは不可能かもしれない。

そして、あなたを真似る輩は、TTP戦略を取ってくると考えたほうが良い。

「徹底的にパクる」戦略のことだ。

そして、あなたよりも広報が上手である。ネットワークも多い。

あっという間に持って行かれる。

 

起業した時には、こんなことは知る由もなかった。

自分のオリジナルのアイデアが、明らかなパクリによっていくつも持って行かれた。

酷い輩になると、親しげに近づいてきて「一緒にやりましょう」なんて顔していたのに、

ある日連絡が途絶えたと思ったら、自分でそのビジネスを始めていたりした。

弊社の顧客を眼の前で奪われたこともあった。

 

しかし10年も経つと、そう言った輩はほぼ消え去った。

何故だろうか?何が効果的だったのか?

ちょっと振り返って考えてみた。

 

①真似られることを予め想定してビジネスモデルを構築すること。

簡単に真似ができる程度の事業ならば、所詮その程度のレベルなのである。

いざ真似されたというときでも、2の手、3の手を予め用意しておくべきである。

振り切れるまでの用意をしておけば、良い。

 

②真似っこも含めて業界の底上げを行うこと。

そこに市場があるということかもしれない。1社でやるよりも数社でやったほうが新たな業界を作ることができるかもしれないと考えてみるのも良いと思う。

 

③真似るということは、本物ではないということ。人は本物を好む。

人はよく見ている。所詮真似っこは真似っこだ。本物ではない。自分が本物を作り続ければ、人々はあなたを選ぶはずだ。

 

④ブランディングは学ぶこと。

人々に届かなければそれまでである。どんなに優れていてもそれだけでは届かない。

だから、広報、広告戦略も含めてブランディングは勉強しておいたほうが良い。

 

⑤弁護士とは密に連絡を取ること。

実は法的措置をとれることもあるかもしれない。

お抱えの弁護士はいたほうが良い。

前回書いたモンスター公務員のような相手であっても、

この時代では「下請法」があり「パワハラやモラハラ」に該当していることが多々ある。

法的に違反しているのが相手であるならば、戦えばよし。

 

⑥黙って待つ

実際のビジネスは、「法ではなく倫理」の問題であることが多い。

TTPがいけないのか?倫理的には問題がある行為だろう。

しかし、商売というのは金を稼げなくては成り立たない。

相手も法を犯していない限りとことん突っ込んでくるだろう。

何もいけないことではないではないか。

もちろん、相手の社員はかわいそうである。

そんな会社では働きたくないだろう。

オリジナルなことができずに真似をしろと言われる社風には、うんざりすることだろう。

だから数年経てば居なくなるのだ。

 

 

これらのことはビジネス本には書いていない。

10年生き残る会社は3%程しかない。

生き残るための活動は、実践的でなくてはならない。

起業して苦労した人ならば上記のことは経験しているし、当たり前だと思うことだろう。