ネイチャーSBTとは何か?ステップ1でなぜ気候変動が出てくるのか

  • 2026年03月28日

「ネイチャーSBTって、結局なに?」

最近よく聞かれます。

そしてもう一つ。

「ネイチャーなのに、なぜ気候変動が入ってくるんですか?」

ここ、かなり多くの人が引っかかります。

結論から言うと、

ネイチャーSBTは
“自然だけの話”ではありません。

“自然と気候を一体で扱う枠組み”です。

ここを間違えると、最初からズレます。

ネイチャーSBT(SBTN)は、

企業が自然に与える影響を、

科学ベースで管理・削減するための枠組みです。

対象は広いです。

・土地(森林、土壌)
・水(取水、排水)
・生物多様性
・海洋

そしてここに、

気候が入ってきます。

なぜか。

理由はシンプルです。

切り離せないからです。

例えば、

森林破壊は、

生物多様性の問題であると同時に、

CO2排出の問題でもあります。

水の問題も同じです。

気候変動によって、

水不足や洪水が発生し、

それが生態系に影響を与える。

つまり、

自然と気候は“同じシステム”の中にある。

だからネイチャーSBTでも、

気候が出てきます。

では、ステップ1とは何か。

ここが一番重要です。

ネイチャーSBTのステップ1は、

「Assess(評価)」です。

やることはシンプルに見えて、

実は一番重い。

自社のバリューチェーン全体で、

・どこに自然への影響があるか
・どこに依存しているか

を洗い出します。

ここで特徴的なのが、

“場所”を特定することです。

どの国か、どの地域か、

場合によっては流域レベルで見ます。

なぜなら、

自然の問題は“ローカル”だからです。

同じ水使用でも、

・水が豊富な地域
・水ストレス地域

では意味がまったく違う。

ここを見ないと、

評価になりません。

そしてもう一つ、

ステップ1で必ず出てくるのが、

気候です。

多くの人はここで違和感を持ちます。

「それ、SBTiでやる話では?」

その通りです。

しかしネイチャーSBTでは、

気候も含めて“全体像”を見ます。

つまり、

・自然への影響
・気候への影響

を別々に最適化するのではなく、

一緒に見る。

例えば、

ある対策が

・CO2は減らすが
・水使用を増やす

のであれば、

それは本当に正しいのか?

ここまで問われます。

これがネイチャーSBTの本質です。

“トレードオフを見逃さない”

では、実務的に何が難しいのか。

答えはステップ1です。

・データが揃っていない
・サプライチェーンが見えない
・ロケーション情報がない

ここで止まる企業が多い。

逆に言えば、

ここを乗り越えた企業は、

その後が一気に進みます。

まとめると、

ネイチャーSBTとは、

自然だけの枠組みではなく、

“自然と気候を統合した経営フレーム”

です。

ステップ1は、

その全体像を“場所ベース”で把握するフェーズ。

そして、

気候が含まれるのは、

それが“別の問題ではない”からです。

これからのサステナビリティは、

個別最適ではなく、

全体最適の時代に入っています。

ネイチャーSBTは、

その入り口です。