戦後史について
- 2016年07月18日
浅田次郎の本を久しぶりに手に取った。
帰郷
熟練作家だから、泣かせどころ笑わせどころを掴んでいるのは勿論だが、
本誌には別の視点がある。
帯にも書いてあるが、つい70年前のこと何に、あまりに隔世の感がある。
戦前戦後について語られることが少なすぎる。
歴史の重要な一コマについて、どうしてこうも語られないのか?
戦争非難の声の中、今語るには生々しすぎるし、解決していないこともまだあるし、
様々な関係があるのはわかる。
しかしそこには普通の人々がいて、そしてそれは我々の血縁である。
戦前の軍国主義のみを切り取って、日本を評価するのはあまりにも稚拙である。
そうではない。
向き合うべきことはきちんと向き合わないでは前には進めない。
何も本誌を薦めているわけではない。
様々な角度からどんどんと、戦前戦後に向き合うべきだと思う。
また、口べらし政策、高度成長期など、日本が歩んだ多くの史実が戦前戦後に詰まっている。
昭和という時代の総括を学ばなくして、日本の歴史は語れまい。
近代史ではない、いわゆる現代史だ。
歴史の授業は、現代史から始まり、太古に進んでいく方が理解ができるのではなかろうか。