廃棄物にも生まれた場所がある

  • 2026年10月23日

捨てられるものを有効利用する。環境対策として、これほど分かりやすい話はありません。廃棄物を減らし、エネルギーを生み出すことができれば、まさに一石二鳥です。

ところが最近、この考え方にも少し変化が生まれています。

2026年10月、経済産業省の審議会で、輸入バイオマス燃料の持続可能性を確認する第三者認証について、新たな対象を追加する案が議論されました。パーム油の製造過程で生じる殻や、ナッツ類の殻など、農産物由来の副産物が関係しています。

これらは、もともと別の製品を作る過程で発生するものです。しかし、副産物だからといって、その環境負荷が必ず小さいとは限りません。

例えば、原料となる農作物がどのような土地で栽培されてきたのか。森林を農園に変える過程で環境への影響が生じていないか。加工工場ではどれほどのエネルギーが使われているのか。そして、日本まで運ぶためにどれほどの燃料を消費しているのか。

こうした問題を考えると、単に廃棄物を再利用するだけでは十分ではないことが分かります。

今回検討された認証の仕組みでは、加工段階だけでなく、原料の供給元の持続可能性にも目を向けています。

私は、この方向性は大切だと思います。

これまで環境政策では、製品が廃棄された後に何が起こるのかが重視されてきました。もちろん、それは今後も重要です。しかし、これからは廃棄物が生まれる前の段階にも目を向ける必要があります。

資源循環とは、単に出口を管理することではなく、入口から出口までを考えることなのでしょう。

捨てられるものにも、生まれた場所があります。その場所の環境まで大切にできてこそ、本当の意味で持続可能な資源利用に近づくのだと思います。