自主的な環境対策はどこまで進むのか
- 2026年10月26日
環境政策には、大きく分けて二つの方法があります。一つは法律や制度によって企業に一定の対応を求める方法。もう一つは、企業自身の判断による自主的な取組を促す方法です。
どちらが優れているという単純な話ではありません。
規制を強化すれば、一定の取組を広く求めることができます。しかし、企業の負担が増えることもあります。一方、自主的な取組には柔軟性があり、意欲のある企業が先進的な対応を進めることもできます。
問題は、その取組がどこまで広がるかということです。
2026年10月の経済産業省の審議会では、バイオマス発電事業者によるライフサイクルGHG削減の自主的な取組についても議論されました。
自主的な取組を進めるには、排出量を算定するためのデータや専門知識が必要です。事業者によっては、海外の燃料供給者から十分な情報を入手することが難しい場合もあるでしょう。
こうした課題を、単純に企業の意欲の問題として片付けることはできません。
私は、自主的な環境対策を広げるためには、実施する企業が正当に評価される仕組みが重要だと考えています。
例えば、排出量を継続的に測定し、削減努力を公開している企業が、燃料調達や取引の場面で評価されることです。先進的な企業の経験や算定方法を共有し、他の企業も取り組みやすくすることも必要でしょう。
同時に、情報公開が不十分な場合や取組が進まない場合には、制度面でどのような対応が適切なのかを検討することも大切です。
環境対策の目的は、報告書を増やすことではありません。実際に環境負荷を減らすことです。
自主的な取組で十分な成果が得られるのであれば、それは望ましいことです。しかし、成果が得られないのであれば、別の方法を考える必要があります。
大切なのは、規制か自主性かという二者択一ではなく、実際に成果を上げることのできる仕組みを作ることなのでしょう。
環境への善意は尊重されるべきです。しかし、善意だけに頼らない制度設計もまた、重要なのだと思います。








