補助金の先にある再生可能エネルギー
- 2026年10月27日
再生可能エネルギーの普及を考えるうえで、国の支援制度が果たしてきた役割は大きなものがあります。
日本でもFIT制度によって、太陽光や風力、バイオマスなどの発電事業への投資が進みました。政策的な支援がなければ、実現が難しかった事業も少なくなかったでしょう。
しかし、再生可能エネルギーを持続的に普及させるには、支援制度に依存し続けることができるのかという問題を考える必要があります。
特にバイオマス発電は、設備を建設すれば終わりという事業ではありません。運転を続ける限り、燃料を調達しなければならないのです。
海外から燃料を輸入する場合、為替の変動や輸送費、国際的な需給の変化などが事業の採算に影響します。さらに、持続可能性や温室効果ガス排出量に関する要求が厳しくなれば、燃料の調達方法を見直す必要も出てくるでしょう。
今回の経済産業省の審議会でも、バイオマス発電の持続可能性とともに、将来的な事業の自立化が重要な検討課題となっています。
私は、これは非常に重要なテーマだと考えています。
環境に良い事業であっても、経済的に継続できなければ長続きしません。一方、経済性だけを追い求めて環境への配慮が不十分になれば、再生可能エネルギーとしての社会的な信頼を失うことになりかねません。
環境と経済を対立するものとして捉えるのではなく、両立できる事業の仕組みを作ることが必要です。
例えば、燃料の調達経路を見直して輸送に伴う排出量を減らすことが、輸送コストの削減にもつながる場合があります。燃料の品質や供給を安定させることも、発電効率や事業の継続性に寄与するでしょう。
こうした改善は、補助金の有無にかかわらず、事業者自身にとって意味のある取組です。
再生可能エネルギーが本当の意味で社会に定着するためには、政策的な支援によって市場を育てる段階から、環境価値と経済価値を両立させる段階へ進むことが求められます。
補助金は、事業を始めるための後押しにはなります。しかし、永続的な事業の価値を保証するものではありません。
支援制度が変わっても、社会から必要とされ、環境にも貢献し続けることができるか。
再生可能エネルギーの真価は、そこに問われるのだと思います。








