雨を邪魔者にしない街へ

  • 2026年09月11日

雨は、

多すぎれば災害になります。

しかし本来、

雨はなくてはならないものです。

森を育てます。

農作物を育てます。

川をつくります。

地下水になります。

海へ栄養を運びます。

問題は、

雨そのものではありません。

短時間に大量に降ること。

そして、

その雨を受け止められない街をつくってしまったことです。

だからこれからは、

降った雨を、

すぐに流して捨てるだけではなく、

貯める。

染み込ませる。

使う。

ゆっくり流す。

という発想が必要になります。

脱炭素。

気候変動適応。

グリーンインフラ。

流域治水。

TNFD。

別々の言葉に見えますが、

実はかなりつながっています。

環境とは、

CO₂だけを考える仕事ではありません。

空気。

水。

土。

生き物。

そして、その中で暮らす人や企業。

すべてを見ること。

大雨が増える時代だからこそ、

もう一度、

「水の行方」を考えてみる必要があるのだと思います。

水害とTNFD

  • 2026年09月10日

TNFDというと、

生物多様性の話だと思われることがあります。

しかし対象は、それだけではありません。

自然には、

水。
森林。
土壌。
生態系。

さまざまな要素があります。

企業は自然に依存して事業を行っています。

水がなければ生産できない工場があります。

一方で、

水が多すぎても生産できません。

渇水もリスク。

洪水もリスク。

つまり企業にとって水は、

「資源」であると同時に、

「リスク」にもなります。

自社の工場だけを見るのではありません。

原材料の生産地。

仕入先。

物流経路。

販売先。

サプライチェーン全体の自然との関係を見る。

これがTNFDの重要な考え方です。

CO₂だけを見ていても、

企業の環境リスク全体は分かりません。

気候と自然。

そして水。

これらを一体で考える時代になっています。


水位を測ることから始まる

  • 2026年09月09日

大雨への対応で重要なのは、

「今、水がどうなっているのか」

を知ることです。

川の水位。

水路の水位。

マンホールの水位。

調整池の水位。

ポンプの稼働状況。

以前は人が現場へ行って確認していた情報も、

センサーや通信技術を使えば遠隔で把握できるようになっています。

大雨のときほど、

現場へ人を送り込むこと自体が危険です。

だからこそ、

測る。

送る。

見る。

判断する。

という仕組みが重要になります。

環境の世界でも、

「測ること」は基本です。

CO₂もそうです。

水質もそうです。

生物多様性もそうです。

そして防災も同じです。

見えないものは管理できません。

大雨対策も、

まず水の状態を見えるようにするところから始まります。


大雨は企業の経営リスク

  • 2026年09月08日

大雨は防災だけの問題ではありません。

企業経営にも直接影響します。

工場が浸水する。

設備が停止する。

倉庫の商品が使えなくなる。

従業員が出社できない。

物流が止まる。

取引先から部品が届かない。

自社が被災していなくても、

サプライチェーンのどこかが被災すれば、生産が止まることがあります。

これが気候変動の「物理的リスク」です。

企業はこれまで、

地震や火災を想定したBCPをつくってきました。

これからは、

洪水。
内水氾濫。
高潮。
土砂災害。
猛暑。

こうした気候リスクも経営リスクとして考える必要があります。

環境対策は、

単に環境に良いことをする活動ではありません。

事業を継続するための経営戦略でもあります。

環境省も2026年、企業向けの「気候変動の物理的リスク評価の手引き」を公表しました。


駐車場も水害対策になる

  • 2026年09月07日

大雨対策というと、

大規模な公共工事を想像します。

しかし企業にもできることがあります。

例えば駐車場です。

全面を水を通さない舗装にすれば、

降った雨のほとんどが一気に排水設備へ流れ込みます。

一方、

透水性舗装。

雨水貯留槽。

植栽帯。

雨庭。

地下浸透設備。

こうしたものを組み合わせることで、雨水の流出を遅らせることができます。

一つの敷地だけなら、

効果は小さいかもしれません。

しかし、

工場。
物流施設。
商業施設。
マンション。
オフィス。

街中の敷地が少しずつ雨を受け止めれば、流域全体では大きな違いになります。

企業の環境対策というと、

屋根に太陽光パネルを載せることが注目されます。

これからは、

「その屋根に降った雨をどうするか」

まで考える時代になっていくと思います。

雨庭という小さな治水

  • 2026年09月06日

「雨庭」という言葉があります。

レインガーデンとも呼ばれます。

少しくぼんだ場所に植物を植え、

屋根や道路から流れてきた雨を一時的に貯め、

ゆっくり地面へ浸透させます。

見た目は、

普通の植栽スペースや庭です。

しかし雨が降ると、

小さな雨水貯留施設になります。

面白いのは、

治水だけではないことです。

植物が増える。

生き物の場所になる。

景観が良くなる。

暑さを和らげる。

地下水を涵養する。

一つの場所が、

いくつもの環境機能を持ちます。

これがグリーンインフラの面白いところです。

コンクリートの施設か、自然か。

二者択一ではありません。

人工のインフラと自然の機能を、

上手に組み合わせていく。

これからの都市には、

そんな発想がもっと必要になると思います。


流域治水という考え方

  • 2026年09月05日

川の水害対策というと、

堤防を高くする。

川幅を広げる。

ダムをつくる。

以前は、こうした河川そのものへの対策が中心でした。

もちろん、それらは今でも重要です。

しかし大雨が激しくなれば、

川だけを見ていても十分ではありません。

山に降った雨。

田畑に降った雨。

住宅地に降った雨。

工場や道路に降った雨。

それらが最後には川へ集まります。

そこで現在進められているのが、

「流域治水」

という考え方です。

川だけではなく、

流域全体で雨を受け止める。

行政だけではなく、

企業、地域、住民も参加する。

水は行政区域を見て流れているわけではありません。

上流から下流まで。

山から海まで。

水の流れ全体を見る。

環境問題も、本来はそういうものなのだと思います。

国土交通省も、気候変動を踏まえた流域治水を全国で進めています。