台風とサプライチェーン
- 2026年06月24日
台風が近づくと、
まず天気予報を見ます。
雨はどれくらい降るのか。
風はどれくらい強いのか。
電車は動くのか。
予定は変えるべきか。
多くの人が、
自分の一日を守るために情報を確認します。
しかし、台風の影響を受けるのは、
個人の予定だけではありません。
工場。
物流。
港湾。
倉庫。
店舗。
建設現場。
農地。
社会のいろいろな場所が、
同時に影響を受けます。
ある地域で大雨が降る。
道路が通れなくなる。
部品が届かない。
製品が出荷できない。
店舗に商品が並ばない。
現場の工程が遅れる。
一つの天候の変化が、
離れた場所の仕事にまでつながっていきます。
これが、
気候変動時代のサプライチェーンリスクです。
物理的リスクです。
環境対策というと、
CO₂を減らす話が中心になりがちです。
もちろん、それは重要です。
けれど、企業にとっては、
気候変動によって事業がどう影響を受けるのかを考えることも、
同じくらい大切になっています。
大雨で止まる物流。
猛暑で低下する作業効率。
水不足で制約を受ける生産。
台風で遅れる建設工事。
これらはすべて、
環境問題であり、
同時に経営課題でもあります。
最近は、
TCFDやサステナビリティ開示の中でも、
気候リスクをどう捉えるかが重要になっています。
排出量を計算するだけではなく、
自社の事業がどんな自然条件に支えられているのか。
どこに弱さがあるのか。
どこから影響が広がるのか。
それを見ていく必要があります。
台風は、
サプライチェーンの見えにくいつながりを、
一時的に見えるようにします。
いつも通り届いていたものが届かない。
いつも通り動いていた現場が止まる。
いつも通り開いていた店が閉まる。
そのとき初めて、
私たちは普段の便利さが、
どれだけ多くの条件に支えられているかに気づきます。
環境経営とは、
理想を語ることだけではありません。
現実のリスクを見つめること。
備えること。
変化に強い仕組みをつくること。
そして、
自然の変化を前提に、
事業を続けていく力を高めることです。
台風が来るたびに、
私たちは少し立ち止まります。
その立ち止まる時間の中に、
次の時代の経営を考えるヒントがあるのかもしれません。








