夏日
- 2026年05月31日
まだ5月なのですがね。

最近、環境分野のニュースが少し騒がしい。
住友商事やENEOSが参画したマレーシアの水素事業が休止。
そして、EV充電事業を手掛けていたミライズエネチェンジが民事再生。
こういうニュースが出ると、
「やっぱり脱炭素は無理だった」
「EVは終わり」
「水素なんて夢物語」
という声が、一気に増える。
しかし、少し冷静に考えたほうがよい。
たとえば20年前、
太陽光発電は「高すぎる」と笑われていた。
風力も「不安定で使い物にならない」と言われていた。
だが今、
世界中のエネルギー投資の中心は再エネである。
環境事業というのは、
一直線に伸びる産業ではない。
必ず、
過熱期があり、
失敗があり、
資金ショートがあり、
技術の淘汰がある。
つまり今は、
「終わり」ではなく、
産業が現実化する過程で訪れる
“踊り場”なのだと思う。
EVも、水素も、
期待が先行しすぎた面はある。
だが、
世界の人口は増え、
電力需要も増え、
化石燃料依存のリスクも増している。
この構造問題は、
ニュース一本で消えるものではない。
むしろ、
本当に強い企業だけが残る段階に入った、
という見方のほうが自然である。
環境事業は、
夢だけでは続かない。
だが、
必要性だけは、
消えないのである
環境分野にいると、
時々、
気持ちが沈むニュースが続く。
大型案件の停止。
補助金頼みの崩壊。
スタートアップの撤退。
だが、
少し長い目で見ると、
実は産業は前進している。
昔、
「再生可能エネルギーなんて無理」
と言われていた時代があった。
だが今、
巨大企業が再エネ電力を奪い合っている。
カーボンクレジットも、
昔は一部の専門家しか知らなかった。
しかし今は、
経営会議で普通に議題になる。
つまり、
社会の前提そのものが、
少しずつ変わっている。
環境事業は、
派手なブームの時ほど危うい。
本当に大事なのは、
地味でも、
現場で、
継続できる技術である。
そしておそらく、
最後に残るのは、
「理想を語れる人」ではなく、
泥だらけになって、
設備を動かし続ける人たちなのだと思う。
脱炭素は、
流行ではない。
インフラ更新である。
だから遅い。
だから失敗も多い。
だが、
社会そのものが変わる時は、
だいたいそういうものなのである。