水素の未来

  • 2026年05月23日

水素という言葉には、
どうしても未来感がある。

だが現実には、
水素事業はかなり苦戦している。

理由は単純で、
まだ高いのである。

作るのも高い。
運ぶのも高い。
保存も高い。

しかも、
水素は軽すぎる。

つまり、
扱いが難しい。

液化すればエネルギーが必要。
圧縮しても設備が必要。
パイプラインも簡単ではない。

技術が存在しても、
「商売として成立するか」
は別問題なのだ。

ここが非常に重要である。

環境事業は、
理想だけでは回らない。

結局は、
経済合理性が必要になる。

だから今、
世界中で起きているのは、
「水素の否定」ではない。

“用途の選別”
である。

たとえば乗用車は、
EVが優勢かもしれない。

しかし、
製鉄。
化学。
船舶。
大型発電。
航空燃料。

このあたりは、
むしろ水素系燃料が有力視されている。

つまり、
全部を水素にするのではなく、
「水素でしか難しい分野」に
集中し始めているのである。

これは、
むしろ産業が成熟し始めた証拠かもしれない。

ブームが終わると、
本当に必要な用途だけが残る。

そして、
そこから本物の産業になる。